ITC シュウちゃん のすべての投稿

照合順序(SQL Server)

ITコーディネータのシュウです。

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ちょっと前に、出雲神話で有名な島根県に行く機会があり、時間があったので、たくさんの銅鐸が出土した加茂岩倉遺跡と、銅剣がたくさん出土した荒神谷遺跡を見に行って来ました。上の写真が加茂岩倉遺跡、下が荒神谷遺跡です。
もともと神話など、古代の歴史に興味があったこともあり、出雲には何かあるような気がして、この考古学上の歴史的な発見であった2つの遺跡に是非行ってみたかったので、とてもいい機会でした。
アマテラスの弟で出雲族の祖とされ、ヤマタノオロチ退治で有名なスサノオノミコト、イナバノ白ウサギで有名な国造りを行ったオオクニヌシノミコト、そして出雲の国譲りなどいろいろな話しが残されています。古代の日本において、邪馬台国がどこにあったのか、そして大和朝廷がどのようにつくられていったのか、いろいろな説がありますが、とても興味深い内容ですね。いつか、真実が明らかにされる日が来るのを楽しみにしたいと思います。

いよいよ、今年も残すところあとわずかになりました。いつの間にか年末になってしまったという感じです。今年も1年間いろいろとありがとうございました。なかなか忙しく、記事をアップする頻度がとても少なくなってしまいましたが、来年も頑張って記事を書ければと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします!

<本日の題材>
照合順序(SQL Server)

SQL Serverで、データの文字の大小関係を比較する場合の基準となるものを、照合順序(Collation)と呼んでいます。例えば、アルファベットの「a」「A」、かなの「あ」「ア」「ア」を小さいほうから順に並べたらどう並ぶか、漢字の「川」「皮」ではどちらが大きいのかなどの、文字の大小関係を決めているものになります。
様々なシステムでは、データを名前順に並べるとか、データが一致するものを検索するなどの処理が多々存在します。この照合順序が異なれば、クエリの結果が違ってきてしまうため、この文字の大小関係を決める照合順序というものはとても重要な要素になります。

SQL Serverの照合順序には、SQL照合順序とWindows照合順序の2種類があるとのことですが、SQL照合順序はUnicode データ型をサポートしていなかった SQL Server 6.5 以前のバージョンとの互換性のみを目的としている照合順序であるため、基本的に照合順序と言えば、Windows照合順序のことと考えればよいようです。

それでは、例をあげて照合順序について確認してみます。
あるデータベースの照合順序を確認してみると、「Japanese_CI_AS」となっていますが、他にも、CS、KS、WSなどのオプションがあります。例えば、「Japanese_90_CS_AS_KS_WS_SC」。

それぞれを簡単に説明すると、

・Japanese:辞書順に並び変えた場合の並び順が、日本語辞書順であることを表しています。ただし、ソート順の定義で、
Japanese, Japanese_XJIS, Japanese_Bushu_Kakusu, Japanese_Unicode
などの種類があります。

・90:照合順序のバージョンを表しています。 90 はバージョン 9.0 である SQL Server 2005、100 はバージョン 10.0 である SQL Server 2008 を表しています。

・CS:大文字と小文字を区別します。このオプションを設定すると、大文字より小文字が先に並べ替えられます。

・AS:濁音・半濁音・アクセントの有無を区別します。このオプションを選択しないと、濁音・半濁音・アクセントが区別されません。

・KS:ひらがなとカタカナを区別します。このオプションを選択しないと、ひらがなとカタカナは同じものと見なされます。

・WS:全角文字と半角文字を区別します。このオプションを選択しないと、同じ文字の全角表記と半角表記は同じものと見なされます。

・SC:SQL Server 2012 以降で、辞書順に並べる場合に補助文字を認識するかどうかを区別します。

また、並び順は、辞書順ではなくバイナリ順 (ビット配列順、文字コード順、コードポイント順) もあります。バイナリ順の照合順序の名前は、Japanese_90_BIN や Japanese_90_BIN2 のように CS_AS_KS_WS の部分が BIN または BIN2 となります。

「Japanese_CI_AS」となっているデータベースで具体的に試してみます。「大小比較」というテーブルを作成し、そこに、下記のようにデータを登録し、データを抽出してみます。

insert into dbo.大小比較(no, 文字) values(1,'あ');
insert into dbo.大小比較(no, 文字) values(2,'ア');
insert into dbo.大小比較(no, 文字) values(3,'ア');
insert into dbo.大小比較(no, 文字) values(4,'皮');
insert into dbo.大小比較(no, 文字) values(5,'川');
insert into dbo.大小比較(no, 文字) values(6,'革');
insert into dbo.大小比較(no, 文字) values(7,'大');
insert into dbo.大小比較(no, 文字) values(8,'題');
insert into dbo.大小比較(no, 文字) values(9,'1');
insert into dbo.大小比較(no, 文字) values(10,'1');
insert into dbo.大小比較(no, 文字) values(11,'a');
insert into dbo.大小比較(no, 文字) values(12,'A');

select * from dbo.大小比較
order by no;

select1

select * from dbo.大小比較
order by 文字;

select2

次に、条件として、「1」に等しいものを抽出してみます。

select * from dbo.大小比較
where文字 = '1'
order by 文字;

select3

全角と半角が同じものとして認識されているのが確認できます。
同様に、条件として、「あ」に等しいものを抽出してみます。

select * from dbo.大小比較
where文字 = 'あ'
order by 文字;

select4

ひらがなとカタカナが同じものとして認識されているのが確認できます。

上記の内容を区別するためには、オプションの部分を変更する必要があります。

ここで、このテーブルを含む「TEST」データベースの照合順序を変更してみます。

ALTER DATABASE TEST COLLATE Japanese_CI_AS_KS_WS;

select5

データベースの照合順序を変更した状態で、先ほどのSQLを実行してみます。

select6

何故か、結果は同じです。これは、データベースの照合順序を変更しても、既存のテーブルの照合順序は変更されないためで、下記のように項目について照合順序を設定してテーブルを変更する必要があります。

ALTER TABLE dbo.大小比較
ALTER COLUMN 文字 varchar(20)
COLLATE Japanese_CI_AS_KS_WS;

select7

この状態で、再度、前回行ったSQLを実行してみます。

select8

select9

全角と半角文字、ひらがなとカタカナが区別されて、それぞれ該当する1行のみが抽出されるようになりました。

今日は以上まで

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データベースメール(SQL Server)

ITコーディネータのシュウです。

せんがたき

 少し前に、山梨県の昇仙峡に妻と行って来ました。写真は、仙娥滝(せんがたき)と呼ばれる滝で、昇仙峡のシンボルである覚円峰(かくえんぼう)の麓にあり、駐車場から徒歩5分くらいのところにあります。この滝は日本の滝百選にも選ばれていて、落差は30mあり、地殻変動による断層によって生じたものとのことです。

学生時代に一度昇仙峡に行った記憶があり、岩の上から下を見て、高いなあと思った記憶があったのですが、今回は、渓谷に沿って紅葉を見ながら妻と歩くことにしました。
秋晴れの中、たくさんの観光客が遊歩道を歩き、渓流や紅葉を楽しんでいました。カップルが皆手をつないで歩いていたので、私も妻と手をつなぎながら、久しぶりに夫婦で自然を満喫することができました。

<本日の題材>
データベースメール(SQL Server)

会社の同僚が、お客様のシステムで、SQL Serverのデータベースメールの機能を利用して、必要なタイミングでいろいろな情報をメールで知らせる仕組みを作ったということを聞き、今回はこれを題材にしてみます。ちなみに、確認したデータベースのバージョンは、SQL Server2014です。(データベースメールの機能は、SQL Server2012からのようです)

設定の方法ですが、SQL Server Management Studioを起動し、オブジェクトエクスプローラーの「管理」の中にある「データベースメール」を選択し、右クリックを押します。

設定1

そこで表示されるメニューの「データベースメールの構成」をクリックすると、以下のようなデータベースメール構成ウィザードが表示されますので、「次へ」をクリックします。

設定2

「構成タスクの選択」画面が出るので、「次のタスクを実行してデータベースメールをセットアップする」を選択した状態で、「次へ」ボタンを押下します。

設定3

すると、設定が初めての場合には、以下のようなメッセージが出ます。「データベースメール機能は使用できません。有効にしますか?」
ここで「はい」を選択します。

設定4

次に、「新しいプロファイル」設定画面が出てくるので、「プロファイル名」を設定した後、SMTPアカウントの「追加」ボタンをクリックします。

設定5

ここで、SMTPサーバーの設定を行います。

設定6

設定ができたら、「OK」ボタンを押下します。
(SMTP認証の設定が必要な場合は、その部分も設定します)

設定7

新しいプロファイルの画面に戻り、アカウントが追加されたているのを確認して、「次へ」ボタンをクリックします。

設定8

プロファイルセキュリティの管理の画面が出るので、確認してから「次へ」を押下します。

設定9

システムパラメータの構成の画面が出るので、こちらも確認して、「次へ」を押下します。このとき、禁止する添付ファイルの拡張子など、追加したい場合には、追加します。

設定10

ウィザードの完了画面が出るので、「完了」を押下すると、構成を実行します。

設定11

「成功」となれば、「閉じる」で終了します。
次に、メール送信のテストを行ってみます。

設定12

SQL Server Management Studioの「管理」の「データベースメール」を選択し、右クリックを押して、「テスト電子メールの送信」を押下します。

設定13

宛先を設定し、「テスト電子メールの送信」ボタンを押下します。

設定14

これによって、宛先のメールアドレスにメールが送付されることを確認します。

設定15

以上の手順で、SQL Serverのデータベースメールの設定とテストまで簡単にできました。

ただ、SQLを使用するアプリケーションの中で、このデータベースメールの仕組みを使ってSQLの結果などをメールで送付したいというのが目的だったので、SQLのプロシージャを使ってこのデータベースメールを送ってみます。

システムで用意しているプロシージャ「sp_send_dbmail」を使って、下記のようなSQL文を作成して実行してみます。

--メール送信
EXEC msdb.dbo.sp_send_dbmail
  @profile_name = 'メール送付'
,@recipients = 'testuser@newcomblog.jp'
,@subject = '処理完了通知'
,@body = 'データベースメールテスト。'
,@query = 'SELECT * FROM BLOG.dbo.DEPT'
,@attach_query_result_as_file = 1
;

設定16

ここで、@querry 変数にSQL文を指定すると、メールにSQLの結果を付けることができます。(このとき、テーブルはデータベース名から指定します)
また、@attach_query_result_as_file = 1 と指定することで SQL の結果を添付ファイルにして送ることができます。

宛先のメールアドレスに上記の内容のメールが届けば成功です。

設定17

添付ファイルの中身を見ると以下のようになっています。

設定18

データベースメールの仕組みを使って、SQLの結果をメールで送付できることが確認できました。

今日は以上まで

 

 

 

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Management Studioでのデータ編集

ITコーディネータのシュウです。

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お久しぶりです。あっという間に10月の後半に入ってきました。最近急に寒くなってきましたが、お元気でお過ごしでしょうか?
しばらく開発の仕事がとても忙しく、ブログを書こうと思いながら、ずるずると時が経ってしまいました。申し訳ありません。

この間、いろいろなことがありましたが、大きく記憶に残っていることとして、高校野球で、なんと埼玉の花咲徳栄高校が埼玉県勢として初めて夏の高校野球での優勝旗を持ち帰ったことです。
実は、花咲徳栄高校は結構自宅から近いのと、知人のお子さんでも結構そこに通っているので、とても親近感が湧くのですが、まさか優勝するとは思っていませんでした。
投手2枚看板と打線も毎試合2桁安打で、とても強かったですね。嬉しい限りです。

また、国際情勢が緊迫してきている中、衆議院が解散されて、もうすぐ選挙ですね。高校3年生になって18歳の誕生日を迎えた3番目の娘も、選挙権があるということでカードが送られてきたので、初めての選挙に行くと張り切っていました。こういう時、子供が育つのは早いなと、つくづく思わされます。

それから、事例がまたアップされています。
dbSheetClientで内製化を実現
土木・建築業務における各種システムを構築し、データは統合DBに格納!
情報システム部と設計本部がシステム開発・管理を主導!ということで、株式会社鴻池組様の事例です。
興味のある方は以下をご参照ください。
http://www.newcom07.jp/dbsheetclient/usrvoice/konoike_construction.html

<本日の題材>
Management Studioの使い方(SQL Server)

SQL Serverで、テーブルのデータを変更したいが、いちいちupdate文を書くのが面倒なとき、あるいは時間に余裕がないときに、ツールで簡単に変更できたらいいと思うことがよくありますよね。
SQL Server のManagement Studioというツールをデータの確認などでよく使用しますが、そこでは、テーブルを右クリックすると、「上位200行の編集」という機能があって、行が少ないときはそれで目的のデータの変更ができますが、テーブルの行数が多い場合には、目的のデータを一覧から探すのが面倒なので、そこでの変更はあきらめてしまうことも多いと思います。
それでいい方法がないかと調べてみたところ、Management Studioでうまくできるということなので、それを試してみたいと思います。

SQL Server Management Studioを起動し、データを変更したいデータベースのテーブルにカーソルを合わせた後、マウスの右クリックで表示されるメニューの「上位200行の編集(E)」を選択すると、データの編集ができることはご存知だと思います。

ManS_データ編集

その後、以下のようなデータの編集画面が表示されますが、

ManS_編集画面

ここで、さらに、メニューの「クエリーデザイナー」で表示される「ペイン」、さらに「SQL」を選択すると、下記のようなウィンドウが表示されます。

ManS_pain

この上側のSQLのところに、今回編集したいデータを絞るための条件を追加してみます。今回は「拠点」が「シカゴ」の社員データのみを変更したいので、「WHERE 拠点=’シカゴ’」を入れて、再度SQLを実行します。

ManS_pain_実行

すると、「拠点」が「シカゴ」の社員データのみが結果に表示され、データ編集も可能になるので、そこで値の変更を行います。

ManS_変更実施

こうすることで、行数が多い場合でも、条件を指定して絞ることで、Management Studioの「上位 n 行の編集」でデータの変更をすることができます。

なお、そもそも「上位200行の編集」となっているのを、もっと多い行数に変更することも可能です。

メニューの「ツール」>「オプション」>「SQL Server オブジェクト エクスプローラー」を選択すると、下記のような画面が出てきますので、「上位 <n> 行の編集コマンドの値」を「200」からもっと多い値に変更すればよいです。

ManS_上位n行編集

 
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ビットマップインデックス(Oracle)

ITコーディネータのシュウです。

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今月27日に再び発生した大規模なサイバー攻撃によって、世界各地で被害が出ています。今回のランサムウェアは専門家の間で「Petya」と呼ばれるウイルスが使われたとみられているそうです。WannaCryと同様に、WindowsのSMB(Server Message Block)の脆弱性(通称Eternal Blue)を利用しているとのことで、対策としては、Windowsを常に最新の状態にすること、アンチウィルスソフトウェアを最新のものにしておくこと、さらにメールにあるURLをクリックする際には十分な注意が必要ですね。また、いざというときにバックアップを取ることも推奨されています。
IPA独立行政法人情報処理推進機構セキュリティセンターが出している「情報セキュリティ10大脅威 2017」でも、個人向け、組織向けともに、ランサムウェアによる被害が2位に入っていますね。組織向けの1位は、こちらもよく話題になる標的型攻撃による情報流出です。様々な情報を扱う企業としては、社員への教育を含め様々なリスクを考慮した対策が必要ですね。
本当に、いつも危険と隣り合わせていることを自覚しながらPCを使わないといけない時代になってきたと感じます。

さて、dbSheetClientに新しい事例がまたアップされています。
dbSheetClientで内製化を実現、MS-Accessで開発した『総合管理システム』をdbSheetClientでWeb化し、抱えていた課題を全てクリア !!ということで、綜合エナジー株式会社様の事例です。
興味のある方は以下をご参照ください。
http://www.newcom07.jp/dbsheetclient/usrvoice/sogo_energy.html

<本日の題材>
ビットマップインデックス(Oracle

Oracleで検索の性能を向上するためにインデックスを作成しますが、データウェアハウスなどを構築した際には、カーディナリティの値が低い(取りうる値が限られている)列に対しては、ビットマップインデックスを作成することで効果があるという話しを聞くことがよくありますが、今回、それを試してみたいと思います。

例)
性別、血液型などのような取りうる値が限られている列を持つ顧客マスタを作成し、そこに300万件の顧客データをテスト的に作成してみたいと思います。前回題材に上げたバルク処理を使って、データの登録処理時間を短縮したいと思います。

まず、顧客マスタテーブルを作成します。

CREATE TABLE t_customer(
 c_id number(7)
,c_gender  varchar2(4)          -- 性別
,c_blood_type varchar2(2)  -- 血液型
,c_age     number(3)                  -- 年齢
,constraint PK_t_customer Primary key (c_id));

次に、前回題材として取り上げたバルク処理を使って、テストデータを作成してみます。

 DECLARE
  TYPE c_id_t IS TABLE OF t_customer.c_id%TYPE
  INDEX BY PLS_INTEGER;
  c_id c_id_t;

  TYPE c_gender_t IS TABLE OF t_customer.c_gender%TYPE
  INDEX BY PLS_INTEGER;
  c_gender c_gender_t;

  TYPE c_blood_type_t IS TABLE OF t_customer.c_blood_type%TYPE
  INDEX BY PLS_INTEGER;
  c_blood_type c_blood_type_t;

  TYPE c_age_t IS TABLE OF t_customer.c_age%TYPE
  INDEX BY PLS_INTEGER;
  c_age c_age_t;

BEGIN
 FOR i IN  1..3000000  LOOP
   c_id(i) := i;
   c_gender(i) := CASE mod(c_id(i), 3) WHEN 0 THEN '男性' WHEN 1 THEN '女性' ELSE null END;
   c_blood_type (i) := CASE mod(c_id(i), 5) WHEN 0 THEN 'A' WHEN 1 THEN 'B' WHEN 2 THEN 'O' WHEN 3 THEN 'AB' ELSE null END;
   c_age(i) := 20+mod(c_id(i), 50);
 END LOOP;

 FORALL j IN 1..3000000
   INSERT INTO t_customer(c_id, c_gender, c_blood_type, c_age) VALUES(c_id(j), c_gender(j), c_blood_type(j), c_age(j));
END;
/

今回も、処理時間を測定したいので、sqlplus 上で以下を実行してから、上記の処理を実行します。
SET TIMING ON
上記のpl/sqlを実行します。

blog80_buld

24.89秒で処理が終了しています。これを、通常のLOOP処理で実行すると、3分22秒程度時間がかかりましたので、やはりバルク処理が有効だということを改めて確認しました。

データを確認してみます。

SELECT * FROM t_customer
ORDER BY c_id;

blog80_select

件数も確認してみます。
Select count(*) from t_customer;

blog80_count

データが確かに300万件登録されているのが確認できます。

この t_customer テーブルのデータの中に、男性以外(NULLデータも含む)で、血液型が「A」型と「B」型の人が何人いるかを抽出してみます。そのときも実行計画も合わせて表示させてみます。

set autotrace on

select count(*) from t_customer
where c_gender <> '男性'
 and c_blood_type in ('A','B');

blog80_jiko1

実行計画を見ると、t_customerテーブルを「TABLE ACCESS FULL」で全レコードにアクセス(フルスキャン)して該当レコードの件数を確認していることがわかります。

この t_customer テーブルの性別、血液型項目に通常のインデックスを作成してみます。

CREATE INDEX cust_idx2 ON t_customer (c_gender);
CREATE INDEX cust_idx3 ON t_customer (c_age);

blog80_btree_ind

それぞれ、7.2秒、5.98秒と、多少時間がかかることがわかります。

この状態で、再度先ほどの男性以外で、血液型が「A」型と「B」型の人が何人いるかを、同じSQLで実行してみます。

blog80_jiko2

実行計画は、先ほどのインデックスがないときと同じで、特に追加したインデックスを使用しない動作になっています。
カーディナリティの値が小さい列へのBtreeのインデックスは作成してもあまり効果がないとも言われます(実行するSQLにも当然依ります)が、DBがフルスキャンを選択したことは今回のケースではBtreeインデックスは有効ではないことをがわかります。

今度は、先ほどのインデックスを削除し、性別、血液型項目にビットマップインデックスを作成してみます。

CREATE BITMAP INDEX cust_bm_idx2 ON t_customer (c_gender);
CREATE BITMAP INDEX cust_bm_idx3 ON t_customer (c_blood_type);

blog80_bitmap_ind

ビットマップインデックスの作成時間はかなり短いですね。

この状態で、再度先ほどの男性以外で、血液型が「A」型と「B」型の人が何人いるかを、同じSQLで実行してみます。

blog80_jiko3

今度は、作成したビットマップインデックスを使用した実行計画になり、処理の実行時間も0.17秒とかなり短縮されることがわかります。このように、データにnullが含まれている場合でも、カーディナリティが低い列であれば、ビットマップインデックスを作成することで、抽出処理が高速化することが確認できると思います。
※ただし、ビットマップインデックスを作成した状態での、データの登録や更新は、b-treeのインデックスがある場合に比べてかなり遅くなることも事実であり、データウェアハウスなどの抽出が中心のデータベースの場合などに絞ったほうがよいようです。
 
今日は以上まで

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バルク処理(Oracle)

ITコーディネータのシュウです。

IMG_0682

5月もあと2日になりました。あっという間に日が過ぎて行きますね。今年もG/Wのときに、加須市の玉敷神社の藤まつりに行って来ました。上記はその写真です。たまに家族みんなで出かけるのもいいものです。
そう言えば、車に乗っているときに、家内が道端にきれいに咲いていた芝桜があったらしく、きれいね~と言ったので、桜ということで、思わず空のほうを見て桜を探してしまったところ、また笑われてしまいました。

芝桜と言えば、日本各地にきれいで有名なところはあると思いますが、宮崎県新富町に、目の見えなくなってしまった奥様に笑顔を取り戻したいということで、20年以上かけて庭に一面のピンクの芝桜を育てた黒木さんという方の庭の芝桜がきれいだということで有名みたいですね。フジテレビのMr.サンデーという番組でも放送され、とても感動的で反響が多かったそうです。黒木さんは毎年芝桜のシーズンになるとご自宅の庭をボランティアで開放、オープンガーデンとし、連日多くの見物客に花を楽しませてくださっておられるとのことです。そこに込められた夫婦愛が素晴らしいですね。そのように妻を愛せる夫になりたいものです。
http://www.pmiyazaki.com/etc/sibazakura/
ただ、一面に広がるシバザクラを皆さんに開放するのは、今年(2017年)で最後となるとのことです。芝桜の手入れはとても大変なようで、ご高齢ということもあり、残念ですが、本当に長い間お疲れ様でした。

さて、dbSheetClientに新しい事例がまたアップされています。dbSheetClientを使って全社をカバーする「予算実績管理システム」を構築! SAP(ERP)システムとのデータ連携も実現!ということで、クレスコ・イー・ソリューション株式会社様の事例です。興味のある方は以下をご参照ください。
http://www.newcom07.jp/dbsheetclient/usrvoice/cresco_esol.html

<本日の題材>
バルク処理(Oracle

OracleでPL/SQLを使って、ループの処理を行うことはよくあることだと思います。そのループ文などのPL/SQLプログラムは、内部的にはSQLエンジンとPL/SQLエンジンの2つのエンジンが、それぞれSQL文とPL/SQL文の処理を担当して実行するため、ループの回数分エンジンの切替が発生しています。この制御の移行はコンテキスト・スイッチと呼ばれ、その都度オーバーヘッドが発生して、パフォーマンスが低下することになります。
このようなオーバーヘッドを削減できる機能として、バルク処理というものがあり、エンジンの切替を最小限に抑えることができるということです。今回は、このバルク処理について取り上げてみたいと思います。

例)
顧客マスタを作成し、そこに20万件の顧客データをテスト的に作成してみたいと思います。それを、今回は FOR LOOP文で作成してみますが、その際に、普通にLOOP処理を行うのと、バルク処理を行うので、処理時間も比較して見ます。

まず、顧客マスタテーブルを作成します。

CREATE TABLE customer(
 c_id number(8)
,c_name varchar2(20)
,Constraint PK_customere Primary key(c_id));

次に、FOR LOOP文で、テストデータを作成します。

BEGIN
 FOR i IN 1..200000 LOOP
   INSERT INTO customer(c_id, c_name) VALUES(i, '顧客名_'||LPAD(TO_CHAR(i),8,'0'));
 END LOOP;
END;
/

今回は、処理時間を測定したいので、sqlplus 上で以下を実行してから、上記の処理を実行します。

SET TIMING ON

forloop

処理に8.25秒かかっていますね。データを念のため確認してみます。

SELECT * FROM customer
ORDER BY c_id;

blog79_select_cust

データが登録されていることが確認できます。

このようなINSERTの処理を、バルク処理で行う場合、FORALL文を指定して実行します。

DECLARE    -- ①
 TYPE c_id_t IS TABLE OF customer.c_id%TYPE
 INDEX BY PLS_INTEGER;
 c_id c_id_t;

 TYPE c_name_t IS TABLE OF customer.c_name%TYPE
 INDEX BY PLS_INTEGER;
 c_name c_name_t;

BEGIN
 FOR i IN  1..200000  LOOP        -- ②
   c_id(i) := i;
   c_name(i) := '顧客名_'||LPAD(TO_CHAR(i),8,'0');
 END LOOP;

  FORALL j IN 1..200000
   INSERT INTO customer(c_id, c_name) VALUES(c_id(j), c_name(j));       -- ③

END;
/

まず、①宣言部で、TABLE型のコレクション c_id, c_name を定義します。ここで、コレクション変数とは、同じデータ型の値を複数格納できる変数のことです。そして、②のFOR LOOP文でそのコレクションに200000行を代入します。その後、③のINSERT文のVALUES句にこのコレクションを指定し、200000行のデータを customer表に一括挿入します。このとき、DML分の直前に FORALL文を指定します。

構文は以下:
  FORALL <索引名> IN <下限値>..<上限値> <DML文>

この処理では、INSERT文はSQLエンジンで一度に処理できるため、エンジンの切替は1回で済むことになり、高速化されます。

実際に試してみようと思いますが、データを削除した後、パフォーマンスの比較を正確に行いたいので、一旦メモリをフラッシュします。

truncate table customer;

connect / as sysdba
ALTER SYSTEM FLUSH BUFFER_CACHE;

上記のpl/sqlを実行します。

blog79_bulk

通常のLOOP処理で8.25秒かかっていた20万件の登録処理が、0.88秒で終わったことが確認できます。

データを再度確認します。

SELECT * FROM customer
ORDER BY c_id;

blog79_select_cust2

SELECT COUNT(*) FROM customer;

blog79_count

データが確かに20万件登録されているのが確認できます。
バルク処理を行うことで、処理はかなり高速化されることがわかりますね。

今日は以上まで

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実行計画の取得(Oracle)

ITコーディネータのシュウです。

DSC_0007

あっという間に桜は散ってしまい、かなりの日数がたってしまいました。もうGWですね。
上の写真は、桜が咲いていたときに、娘が近くの公園で夕方にきれいだったと撮ったものです。空が青くなって幻想的な雰囲気がしますね。
ちょうど満開のときの週末に雨が降ったので、お花見ができなかったのが残念でした。来年を期待しよ~っと!

さて、dbSheetClientに新しい事例が2つまたアップされています。1つは6年前にシステムを構築した後、改定を続けながらフル活用し、データベースもPostgreSQLにダウンサイジングしたSOLIZE Products株式会社様の事例、もう一つは、dbSheetClientを使って金型製作における基幹システムを構築、内製化した株式会社黒田製作所様の事例です。
興味のある方は以下をご参照ください。
http://www.newcom07.jp/dbsheetclient/usrvoice_sequel/solize_products.html
http://www.newcom07.jp/dbsheetclient/usrvoice/kurodaseisakusyo.html

<本日の題材>
実行計画の取得(Oracle

データベースがSQL Serverであれ、Oracleであれ、性能の問題が発生した場合には、実行計画を取得して、SQLがどのような手順で処理を行っているのかを確認して、対策を取るということが行われます。

SQL Serverの場合には、Management StudioでSQLを実行する際に、ツール上で推定実行プランの表示や実行計画を結果に含めるなどの設定ができるので、簡単に実行計画を取得できますが、Oracleの場合はどうだったか?とすぐにやり方が出て来ない場合も多いと思いますので、簡単にやり方を上げておきます。※SQLPlusやSQL Developerなどのツールを使って実行計画を取得する方法です。

以下の2つのやり方がよく利用されると思います。
①EXPLAIN PLAN文を使用する
②AUTOTRACE を ON にする

まず、①についてです。
①は、EXPLAIN PLAN FOR + SQL文によってオラクルのオプティマイザが選択した「実行計画(予定)」を取得するというものです。
※ EXPLAIN PLAN 文による実行計画の取得では、SQLの実際の実行は行なわれないため、実行結果やSQL統計情報は取得できません。

・事前準備
EXPLAIN PLAN FOR + SQL文によって、実行計画は、PLAN_TABLE という表に格納されますので、あらかじめそれを用意しておく必要があります。

sqlplusなどで、実行計画を取りたいSQLを実行するユーザにログインします。

sqlplus test/*****
接続されました。

Oracle側で用意している utlxplan.sql というスクリプトを実行します。これは、オラクルのホームディレクトリの下の、rdbms/adminフォルダの下にあるので、以下のようにしてスクリプトファイルを実行します。

SQL> @?/rdbms/admin/utlxplan.sql

utlxplan

 sqlplusにおいて「?」はOracle Homeディレクトリに置換されます。つまり、「@?/sqlplus/admin/plustrce.sql」は、「@$ORACLE_HOME/sqlplus/admin/plustrce.sql」の意味となります。

このスクリプトでは、実行計画の情報を格納する「PLAN_TABLE」表を作成しています。念のため、表の定義を見てみます。

DESC PLAN_TABLE

plan_table

表が作成されれば準備ができましたので、それでは、試してみます。以前、ブログで取り上げた「MINUS」という集合演算子を使ったSQLの実行計画を見てみます。

explain plan for
SELECT * FROM tbl_B
MINUS
SELECT * FROM tbl_A;

explain_plan_1

 ※tbl_A、tbl_B は同じ構造のテーブルです。

次に、実行計画を表示します。このとき、DBMS_XPLAN パッケージに用意されている表関数を使用します。

SELECT PLAN_TABLE_OUTPUT FROM TABLE(DBMS_XPLAN.DISPLAY());

explain_plan_1_結果

上記の結果から、このSQLは、「TBL_B」に対する全表スキャンを行った後にソート処理(SORT UNIQUE)を行い、さらに「TBL_A」に対する全表スキャン、ソート処理(SORT UNIQUE)を行って、最後にその差分を取っていることがわかります。このことから、件数が増えてくればかなり性能的には遅くなる可能性のある処理であることがわかりますね。

これと同等の結果を出す処理を、EXISTS句を使って、別のSQLで実現し、それについても実行計画を取得してみます。

explain plan for
SELECT * FROM TBL_B
WHERE NOT EXISTS
(SELECT 'X' FROM TBL_A
   WHERE CD_A = TBL_B.CD_B);

explain_plan_2

実行計画を表示してみます。

SELECT PLAN_TABLE_OUTPUT FROM TABLE(DBMS_XPLAN.DISPLAY());

explain_plan_2_結果

今回のSQLでは、「TBL_B」に対して全表スキャンを行い、それぞれの行に対して「TBL_A」に対しては索引一意スキャンを行って、ネステッドループ結合を行うかたちになっているのがわかります。先ほどの処理に比べれば、Costの値も低く、こちらのほうが性能がよいと言えます。

次は、②AUTOTRACE を ON にするについてです。

sqlplus などで次のコマンドを実行します。
set autotrace on

ただし、実行計画と統計情報は、動的パフォーマンス・ビューも参照する必要があるため、必要な権限がないと一般ユーザーには使用できません。その場合は、以下のようにエラーが出ます。

SP2-0618: セッション識別子が見つかりません。PLUSTRACEロールが有効かを確認してください。
SP2-0611: STATISTICSレポートを使用可能にするときにエラーが発生しました。

・事前準備
PLUSTRACEロールを作成して、対象のユーザに付与する必要があります。そのためには、SYSDBA 権限で接続した後に、plustrace.sql というスクリプトを実行します。

sqlplus / as sysdba
@?/sqlplus/admin/plustrce.sql

plustrace

次に、対象のユーザに、PLUSTRACE ロールを付与します

GRANT PLUSTRACE TO test;

grant_plustrace

対象のユーザに接続して、AUTOTRACE を ON にします。

CONNECT test/*****
SET AUTOTRACE ON

autotrace

先ほど試したSQLを実行します。

SELECT * FROM TBL_B
WHERE NOT EXISTS
 (SELECT 'X' FROM TBL_A
   WHERE CD_A = TBL_B.CD_B);

autotraceon_sql

すると、上記のように、SQLを実行した結果と、実行計画、及び統計情報が表示されるのが確認できます。
実行計画の表示を止めたい場合には、set autotrace off を実行します。

autotrace_off

 
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デッドロックその2(SQL Server)

ITコーディネータのシュウです。

IMG_0645

これは、ちょっと前に咲いた早咲きの桜の写真です。家の近くの川べりに咲いた桜がきれいでした。

さて、年度が変わって子供たちも春休みの後半を迎え、もうすぐ新しい学年として出発します。中学生の息子が数学の問題集のわからないところについて、聞いてきたのですが、なかなかスパッと解き方がひらめかず、かっこよく教えてあげることができませんでした。ん~! 俺って結構年を取ってきたかな~。頭が固くなってきたみたい。とほほほ。。。

話しは変わりますが、dbSheetClientにまたまた新しい事例がアップされました。
全社、約800名が利用する、念願の「 予算申請(損益予算・設備投資予算)システム 」をdbSheetClientで構築!予算責任者及び担当者、財務部の作業負担が大幅に削減!という、JR九州様の事例第2弾です。詳しくは、こちらを参照してみてください。
http://www.newcom07.jp/dbsheetclient/usrvoice_sequel/jr_kyushu2.html

また、dbSheetClient(ディービーシート・クライアント)の導入メリットや導入の様子を、マンガを使って解りやすく解説したページができていますので、こちらも是非ご参照ください。
http://www.newcom07.jp/dbsheetclient/intromanga/index.html

<本日の題材>
デッドロックその2(SQL Server)

前回、SQL Serverでのデッドロックの現象について、実際に簡単なSQLで発生することを確認しましたが、実際にデッドロックが発生した場合には、その情報を調査して対応しなければなりません。今回は、デッドロック発生時の情報の取得のやり方について見てみたいと思います。

SQL Server 2012以降では、拡張イベントという機能でデッドロックの情報も確認することができます。(それ以前は、トレースフラグ:1204と1222を設定して確認していました)

SQL Server Management Studioのオブジェクトエクスプローラーの「管理」→「拡張イベント」→「セッション」→「system_health」の下に、「package0.event_file」というものがあり、それをクリックすると下記のような表示が出ます。

system_health2

ここで、メニューの「拡張イベント」→「フィルター」から

system_health_menu

フィールドに「name」、演算子に「=」、値に「xml_deadlock_report」を設定して「OK」を押下すると、拡張イベントがデッドロックのイベントに絞られて表示されます。

system_health_deadlock

このイベントにカーソルを合わせて、下側のウィンドウの「デッドロック」のタブをクリックすると、下記のように図でデッドロックの情報が確認できます。

デッドロック情報

 図の×がついているプロセスの上にカーソルを置くと、デッドロックが発生したSQLが確認できます。

デッドロック情報sql

また、「詳細」タブのほうで、その行をダブルクリックすると、デッドロックのより詳細な情報を確認できます。

デッドロック詳細

ここでもデッドロックになったSQLが確認できますが、<deadlock> タグの中の、<process-list>タグのほうに
waitresource="KEY: 46:72057594039762944 (a0c936a3c965)"
というものがあり、実際のどのデータを処理しようとしたときにデッドロックになったかがわかるかたちになっています。

実際のデータを確認するのは、上記のKEY情報を使って以下のように抽出します。

SELECT *
FROM tbl_B(NOLOCK)
where %%lockres%% = '(a0c936a3c965)';

デッドロックデータ確認

上記から、tbl_B テーブルの、CD_B = 4 のデータの UPDATE のときにデッドロックが起きたことがわかります。

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デッドロック(SQL Server)

ITコーディネータのシュウです。

IMG_0641

お世話になった知人の方が、仕事の都合もあって実家のある愛媛県のほうに引っ越しされるということで、瀬戸大橋を電車で移動されているときに撮られた写真を頂きました。まだ瀬戸大橋を渡ったことはないのですが、是非一度行ってみたいですね。
そういえば、瀬戸大橋を渡る瀬戸大橋線に乗っているときに、瀬戸の花嫁の曲が流れるみたいですね。「瀬戸は日暮れて~!」瀬戸に来たという実感がわくみたいです。

さて、dbSheetClientに新しい事例がアップされました。
成約引合管理、予算収集、ワークフロー、文書管理、業績見える化まで、様々な業務効率化システムを4年間で80以上構築稼働させたナラサキ産業様の事例です。詳しくは、こちらを参照してみてください。
http://www.newcom07.jp/dbsheetclient/usrvoice/narasakisangyo.html

<本日の題材>
デッドロック(SQL Server

なかなか普段はそんなにはお目にかからないデッドロックの現象ですが、複数のクライアントが同時に同じテーブルにアクセスする環境では、アプリの作り方によっては簡単に起きてしまうこともあります。
一方のタスクがロックを試みているリソースに対して他方のタスクがロックを獲得し、これが相互に行われるとデッドロックが発生するというのが一般的な現象になると思います。本日は、複数のテーブルに対して更新する処理を、処理の順番が逆になるかたちで2つのプロセスが行うかたちでのデッドロック現象を確認してみたいと思います。ちなみに、同じテーブルの異なる行に対する処理でも同様に発生します。

 例)
2つのテーブル(tbl_A、tbl_B)があり、片方の処理は、トランザクション処理の中で、tbl_Aのレコード(CD_A=4)を更新した後に、tbl_Bのレコード(CD_B=4)を更新しますが、同時に、もう一つの処理が tbl_Bのレコード(CD_B=4)を更新した後に、tbl_A(CD_A=4)の値を更新します。
なお、タイミングが重なるように、処理の途中で以前ブログでも取り上げましたスリープ処理(WAITFOR DELAY)を入れてみます。

処理A):
BEGIN TRANSACTION
 UPDATE dbo.tbl_A SET
   amount = 2100
  WHERE CD_A = 4;
 
 WAITFOR DELAY '00:00:10'
 
 UPDATE dbo.tbl_B SET
   amount = 3000
  WHERE CD_B = 4;
COMMIT TRANSACTION

処理B):
BEGIN TRANSACTION
 UPDATE dbo.tbl_B SET
   amount = 1200
  WHERE CD_B = 4;

 WAITFOR DELAY '00:00:3'

 UPDATE dbo.tbl_A SET
   amount = 1500
  WHERE CD_A = 4;
COMMIT TRANSACTION

処理Aを実行した直後に、処理Bを実行します。すると、下記のようなかたちで処理が進み、デッドロックが発生します。

デッドロック図示

実際に、SQL Serverで実行してみます。
SQL Server Maangement Studioの1つのウィンドウで処理Aを実行し、すぐに別のウィンドウで処理Bを実行します。

処理A
デッドロックエラー

処理B
デッドロック処理B

 すると、処理Aでは、上記の結果のように、下記のようなデッドロックのエラーが表示されます。

「メッセージ 1205、レベル 13、状態 51、行 9
トランザクション (プロセス ID 52) が、ロック個のリソースで他のプロセスとデッドロックして、このトランザクションがそのデッドロックの対象となりました。トランザクションを再実行してください。」

それでは、次に、デッドロックが発生したときの対応として、エラーコード:1205を取得したら処理をリトライするという仕組みを、BEGIN CATCH~END CATCHの中に組み込んでみます。

処理A)
RETRY:
BEGIN TRANSACTION
BEGIN TRY
 UPDATE dbo.tbl_A SET
   amount = 2100
  WHERE CD_A = 4;
 WAITFOR DELAY '00:00:10'
 UPDATE dbo.tbl_B SET
   amount = 3000
  WHERE CD_B = 4;
 COMMIT TRANSACTION
END TRY

BEGIN CATCH
 PRINT 'ロールバックします'
 ROLLBACK TRANSACTION
 IF ERROR_NUMBER() = 1205 -- デッドロックエラーコード
 BEGIN
   WAITFOR DELAY '00:00:05'
   GOTO RETRY
 END
END CATCH

処理B)
RETRY:
BEGIN TRANSACTION
BEGIN TRY
 UPDATE dbo.tbl_B SET
   amount = 1200
  WHERE CD_B = 4;
 WAITFOR DELAY '00:00:3'
 UPDATE dbo.tbl_A SET
   amount = 1500
  WHERE CD_A = 4;
 COMMIT TRANSACTION
END TRY

BEGIN CATCH
 PRINT 'ロールバックします'
 ROLLBACK TRANSACTION
 IF ERROR_NUMBER() = 1205 -- デッドロックエラーコード
 BEGIN
   WAITFOR DELAY '00:00:05'
   GOTO RETRY
 END
END CATCH

 SQL Serverで実際に実行してみます。

処理A)

デッドロック処理A_retry

 処理B)

デッドロック処理B_retry

処理Aのほうが、一旦はデッドロックのエラーが発生しましたが、5秒後に再度リトライを実施して、最終的には更新が終了している様子が確認できます。

処理後の、tbl_A、tbl_B のデータを確認してみると

tbl_Aは

tbl_A結果

 tbl_Bは

tbl_B結果

 上記から、最後は処理Aの更新処理がされていることが確認できました。

さて、実際には、デッドロックは上記のようなケースだけではなく、ロックのエスカレーションによるブロッキングが原因で発生する場合などもあります。これについては、また機会があるときに取りあげてみたいと思います。

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PIVOT、UNPIVOT(SQL Server)

ITコーディネータのシュウです。

夏みかん

知人の方から、家に夏みかんの木があって、たくさん実がなるということで頂きました。その写真です。

さて、米国では、トランプ大統領が就任しましたが、就任直後から大統領令を連発し、大きな話題になるとともに、中にはきわめて大きな反発も起こっていますね。オバマケア見直し、TPPの離脱をはじめ、選挙のときから掲げてきた内容を具体的に実施しているわけですが、大きな波紋を呼んだものとしては、メキシコ国境の壁の建設、そして、中東・アフリカ7カ国からの渡航者の入国禁止(シリアからの難民受け入れの拒否も含む)です。
特に入国禁止については、米国政府内でも批判的な声が上がり、反対するデモも各地で起きていて、かなり混乱した状況ですね。この大統領令は憲法に違反しているということで、差し止めを命じるワシントン州の連邦地裁も現れました。強力な力を持つ大統領令ですが、司法のほうで歯止めをすることが可能だということが今回の内容で確認できました。さすが、民主主義の国!

しかし、おっかない世の中になってきました。これからどうなるのやら? できれば平和裏に進んでほしい。僕もやっぱり平和が好きですから。でもよく考えてみると、うちのかみさんもおっかなかったっけなあ?

 <本日の題材>
PIVOT、UNPIVOT (SQL Server)

以前、複数行のデータを集計して横展開という記事をアップしたことがありましたが、今回はこれと同様のことを、SQL ServerのPIVOTという関係演算子を使って試してみたいと思います。

前回の記事では、部品別の日別の仕入数量のデータが、部品コード、年月日、数量というようなレイアウトでDBに登録されている場合に、部品別に、月を横に並べて仕入数量の月別合計値を表示させるようなケースについて、case文を使いながら各月を横に並べて表示させるようにしていました。
このテーブルのデータを単純に抽出すると以下のようになります。

SELECT * FROM dbo.部品発注表;

blog75_部品発注表

部品別に、月を横に並べて仕入数量の月別合計値を表示させることを、pivot演算子を使って試してみます。

SELECT *
FROM (select 部品コード, substring(年月日,5,2)+'月' as '月', 数量
       from [dbo].[部品発注表]) as B_tab
PIVOT (
   SUM(数量) FOR 月 IN
  ([01月], [02月], [03月], [04月], [05月], [06月], [07月], [08月], [09月], [10月], [11月], [12月])
) as PVTab
ORDER BY PVTab.部品コード;

 blog75_pivot

 上記のSQLでは、FROM の後の集計対象テーブルの後に、PIVOT句を設定し、FOR .. IN で設定した値を列として出力して、それ毎にSUM関数で設定した項目[数量]を集計しています。なお、SUM関数とFOR .. IN で指定されていない「部品コード」でGROUP BYがされていて、それぞれの行が出力されています。最後のORDER BY句はオプションですが、並び順を設定できます。
Excelのピボットと同様のことが、SQLでできるのが確認できました。

また、以前別の記事「横に並んだ項目を縦の行データに変換」で、最初から列として登録されているデータを、複数行の縦のデータに変換して抽出するという件を取り上げましたが、UNPIVOT という関数がこれに該当します。

前回のデータをそのまま利用する場合に、まず、「商品売上」テーブルのデータをそのまま抽出すると、

SELECT * FROM dbo. 商品売上;

blog75_商品売上

 上記データについて、各月ごとのデータを行として表示する場合に、UNPIVOT演算子を使ったSQLは以下のようになります。

SELECT 商品CD, 月, 月売上
FROM
  (SELECT * FROM dbo.商品売上) p
UNPIVOT
  (月売上 FOR 月 IN
     (売上4月, 売上5月, 売上6月, 売上7月, 売上8月, 売上9月, 売上10月, 売上11月, 売上12月, 売上1月, 売上2月, 売上3月)
)AS unpvt
ORDER BY unpvt.商品CD desc;

blog75_unpivot

 上記のSQLでは、FROM の後の対象テーブル(最初から横に並んだ項目を持つ)の後に、UNPIVOT句を設定し、FOR .. IN で設定した値を行として出力して、それ毎に月の売上を抽出しています。
また、FOR .. IN で指定されていない「商品CD」でGROUP BYがされていて、商品CD毎の、各月毎の売上が出力されています。

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Oracle12cでのユーザー作成でエラー「ORA-65096」

ITコーディネータのシュウです。

IMG_0585

新年あけましておめでとうございます。
ごあいさつがとても遅くなってしまいました。本年もよろしくお願いいたします。

昨年2016年は、IOTとともにAI(人工知能)がとてもクローズアップされるようになってきた1年ではなかったかと思います。Googleの「AlphaGo」は囲碁で韓国のトッププロ棋士を破り、話題になりましたね。囲碁は打ち手のパターンが10の360乗通り、あるいは400乗通り存在するといわれており、AIがプロ棋士に匹敵する強さになるにはあと10年かかるといわれていたのを、10年前倒しで達成したということです。また、IBMのワトソンは患者の正確な白血病の病名を10分で見抜き、割り出した病名に対する適切な治療によって患者の命を救ったと報道され、AIが医療の世界で大きく貢献する事例となりました。また、自動運転、ディープラーニングなど、様々な技術へのチャレンジ、大きな投資がなされています。
そして、20年後には現在日常で行われている仕事のほどんどをロボットが行う時代が来ると断言する有名なCEOもいれば、科学者や有識者の間では、2045年には人工知能が人間の知能を超えるという予測「シンギュラリティ」についての議論もあり、人工知能は人類史上最悪の脅威と主張する英ノーベル賞授賞物理学者・ホーキング博士のような学者もいます。
いよいよ、過去SFでしか想像できなかったような世界が具体的にやってくると予感させる時代になってきたと感じますが、この科学を正しく使いこなせるかという点が、昔から言われてきたことではありますが、今後の人類にとってのさらに重要な課題、焦点になってくるのではないでしょうか?
将来は、仕事や技術関連は、ロボットが受け持ち、人は、心情、文化、芸術などで楽しむ世界になるかも知れませんね!

<本日の題材>
Oracle12cでのユーザー作成でエラー「ORA-65096」

Oracle12cが国内で提供開始されたのは、2013年7月、既に3年半近くが経過しました。クラウドの『c』を製品名に掲げ、コンテナ、プラガブル、マルチテナントなど、これまでのOracle Databaseにはなかった多くのコンセプトを引っさげ、実に500を超える新機能が実装された12cですが、なかなか開発で12cに触れる機会が少なく、残念に思っていたところ、少し触れる機会がありましたので、今回はそれについて取り上げてみたいと思います。

まず、最初に行うことの一つがユーザの作成だと思いますが、ここで、11gまでと同じようにユーザを作成しようとすると、「ORA-65096: 共通ユーザーまたはロール名が無効です」のエラーが発生します。

まず、SQL*Plusを立ち上げ、sysユーザでログインします。

sqlplus / as sysdba

oracle12cログイン

このあと、「BLOG_TEST」というユーザを作成してみます。

create user blog_test
identified by passwd
default tablespace users
temporary tablespace temp
quota unlimited on users;

create_userエラー

すると、上記のように、「ORA-65096: 共通ユーザーまたはロール名が無効です」のエラーが発生します。
11gまでしか知らないユーザでは、ここでまずびっくりしてしまいますが、このエラーに対応するためには、Oracle12c で大幅に変更された、マルチテナント・アーキテクチャという新しいアーキテクチャの仕組みを理解する必要があります。

Oracle11gまでは、1つのインスタンスには1つのデータベースしかありませんでしたが、12cからは1つのインスタンスには1つのコンテナ・データベース(CDB)と、その下にプラガブル・データベース(PDB)と呼ばれる子DB(複数作成可能)が存在するかたちになります。
このマルチテナントのメリット、魅力については、既にいろいろな資料がWEB上などで出ていますが、例えば、OTNの「Oracle Database 12c マルチテナントの魅力」というHPでは大きく5つの内容が上がっています。

1.サーバー最適化の向上
2.多数のデータベースを一元管理
3.多数のデータベースをまとめてバックアップ
4.データベースの迅速なプロビジョニング
5.データベースの迅速な移動
詳細はそちらのHPのほうを確認してみてください。

さて、ユーザー作成のエラーの対応の仕方に戻ります。11gまでと同様にOracleに接続した場合は、コンテナ・データベース(CDB)に接続されるのですが、CDBではユーザスキーマ(ローカルユーザー)を作成することができません。上記のような ORA-65096 のエラーになります。ローカルユーザーは、実際にデータを管理するプラガブル・データベース(PDB)に接続して作成する必要があります。

※ローカル・ユーザーとは、特定のPDBのみに存在するユーザーのことで、共通ユーザーとは、各コンテナ(ルートと各PDB)に同名のユーザーが存在する場合のことで、ユーザー名に接頭辞(C##)が必要になります。

それでは、現在接続しているデータベースを確認します。
SQL*Plus上で、show con_name を実行します。

12c_show_con_name

上記のように、「CDB$ROOT」と表示されたら、コンテナ・データベース(CDB)に接続していることがわかります。プラガブル・データベース(PDB)に接続し直すために、まず、PDBの名前と現在のOPEN_MODEを確認します。

select name, open_mode from v$pdbs;

12c_pdb

今回接続したいPDBは「PDBORCL」で、OPEN_MODEは「READ WRITE」となっていて、起動できていることが確認されましたので、PDBORCLに接続し直します。

alter session set container = pdborcl;

12c_pdb_session

再度、現在接続しているデータベースを確認します。

12c_show_con_name2

プラガブル・データベースのほうに接続していることが確認できました。
もしも、PDBのOPEN_MODEが「MOUNTED」の状態であれば、まだPDBが起動していない状態のため、以下のようにしてPDBを起動する必要があります。
alter pluggable database pdborcl open;

また、停止する場合は、以下のようにします。
alter pluggable database pdborcl close immediate;

それでは、PDBに接続した状態でユーザーを作成してみます。

create user blog_test
identified by passwd
default tablespace users
temporary tablespace temp
quota unlimited on users;

12c_cre_user

次に、connect, resource のロールを付与します。

grant connect, resource to blog_test;

12c_roll

それでは、作成したユーザ「blog_test」でログインしてみます。

sqlplus blog_test/passwd@pdborcl

12c_pdb_login

作成したユーザーでログインできました。
※ただし、PDBには、たとえサーバー内からの接続であっても、上記のように @ネット・サービス名 をつけて、必ずリスナー経由でログインする必要があるようです。

今日は以上まで

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