ITC シュウちゃん のすべての投稿

MINUS、EXCEPT演算子

ITコーディネータのシュウです。

玉敷_藤の花

ゴールデンウィーク(GW)も過ぎちゃいましたね。今年は、カレンダー通り休みがとれたのですが、今の時期、どことなく憂鬱に感じるのは私だけでしょうか?

今年は、GWの期間に、埼玉県の加須市騎西(きさい)にある、玉敷(たましき)神社の藤の花を家族で見に行って来ました。この藤の木は、県指定天然記念物であり、なんと樹齢400年、幹回り4.8メートル、枝張り約700平方メートルにも及ぶそうです。すごいですね。4月下旬くらいから5月上旬くらいまでが見ごろだとか。一応、一番見ごろな時に、見れたわけです。

ところで、出店の大判焼きもうまかったですよ。家族みんなで食べるからうまいのかな?
さて、頭を切り替え、仕事、仕事。頑張るぞ~!トホホホ・・・

<本日の題材>
MINUS、EXCEPT演算子

今回は、集合演算の差を行う演算子としての、MINUS、EXCEPTについて見てみます。同じ構造の2つのテーブルA,Bがあったとして、2つのテーブルのデータが完全に一致しているのかを確認したくなるときがありますね。そのときに、一致していないデータを抽出したいときに使用できます。元々Oracleを使用していた方はMINUS 演算子がすぐに連想されるかと思いますが、標準SQLではEXCEPT(SQL-92から)が採用されているんですね。ですので、SQLServerではEXCEPT 演算子を使用します(SQL Server2005からサポート)。

例)データベースがOracleの場合:

項目数、及びデータ型が一致する2つのテーブルtbl_A、tbl_Bの定義がともに以下のようであるとします。

テーブル定義:tbl_A
  CD_A         INT
     Name_A   VARCHAR2(20)

 テーブル定義:tbl_B
 CD_B          INT
    Name_B   VARCHAR2(20)

データは、
SELECT * FROM tbl_A;
select_tblA

SELECT * FROM tbl_B;
select_tblB

テーブルtbl_A, tbl_B ともに7件のレコードがありますが、tbl_Aに存在して、tbl_Bに存在しないレコードを抽出したいときには、以下のようにします。

SELECT * FROM tbl_A
MINUS
SELECT * FROM tbl_B;

ora_minus

(どちらのテーブルにも存在し、全ての項目の値が一致しているレコードは、抽出結果に表示されません。1つの項目でも値が違っていれば、抽出されてきます。)

反対に、tbl_Bに存在して、tbl_Aに存在しないレコードを抽出したいときには、以下のようになります。

SELECT * FROM tbl_B
MINUS
SELECT * FROM tbl_A;

ora_minus2

なお、どうしてもソートを行いたい場合には、最初のSELECTの項目に別名を設定して、それをORDER BY で使用することでできます。

SELECT CD_A AS CD, Name_A AS NAME
FROM tbl_A
MINUS
SELECT CD_B, Name_B
FROM tbl_B
ORDER BY CD;

ora_minus_orderby

※MINUS演算子の後のほうのSELECTの項目に別名をつけて ORDER BY で指定した場合はエラーになります。

ora_minus_orderby_err

 なお、MINUS 演算子前後のSELECTの抽出項目の数が違う場合や、項目の定義が異なる状態でも、抽出はエラーになります。

また、今回は tbl_A と tbl_B が全く同じ構造のテーブルでテストしましたが、そうではない場合でも、データを比較したい項目を MINUS演算子の前後のSELECT 文で指定し、その項目数と型が一致していれば、同様に抽出を行うことは可能です。

例2)SQL Serverの場合:

上記の例と同様のテーブルを作成しておきます。
・tbl_Aに存在して、tbl_Bに存在しないレコードを抽出したいとき

SELECT * FROM tbl_A
EXCEPT
SELECT * FROM tbl_B;

sqlsv_except1

・反対にtbl_Bに存在して、tbl_Aに存在しないレコードを抽出したいとき

SELECT * FROM tbl_B
EXCEPT
SELECT * FROM tbl_A;

sqlsv_except2

 ・tbl_Aに存在して、tbl_Bに存在しないレコードを抽出し、CDの内容でソートしたいとき

SELECT CD_A AS CD, Name_A AS NAME
FROM tbl_A
EXCEPT
SELECT CD_B, Name_B
FROM tbl_B
ORDER BY CD;

sqlsv_except_orderby

 ※EXCEPT演算子の後のほうのSELECT 項目に別名をつけてORDER BYで指定した場合はエラーになります。

sqlsv_except_orderby_err

 ちなみに、MySQLではEXCEPT関数はサポートしていないようです。
この場合、NOT EXISTSを使用して、各項目がすべて一致するもの以外を抽出するかたちになります。

今日は以上まで

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ORA-28001:パスワードが期限切れです

ITコーディネータのシュウです。

IMG_0655_2

ときおり散歩する公園で、かもがたくさん群れをなして歩いているのを見ました。珍しいと思って急いで撮ってみた写真です。こんなにたくさん歩いているとはびっくりですね。何かあったのかな~!

<本日の題材>
ORA-28001:パスワードが期限切れです。

今回は、昨日までOracleを使って問題なかったのに、ログインしようとしたら急に「ORA-28001:パスワードが期限切れです。」というエラーが出てログインできなくなるという事態に遭遇したことがあったので、それについて情報としてアップします。

これは、今までOracle10gを使っていたが、Oracle11gにバージョンアップした場合などによく起きることがあります。理由としては、Oracle10gまではユーザのパスワードの有効期限はデフォルトで無期限であったものが、Oracle11gからはデフォルトで180日に設定されているため、180日たったときに起きてしまうというものです。

さすがにOracle11gがリリースされてかなりの期間が立ちますので、既に知っておられる方が多いかとは思いますが、意外とこのエラーに出くわした方が多いのではないでしょうか。

セキュリティ上はたしかにパスワードを定期的に変更したほうがよいのでしょうが、開発時やテストなどでは無期限にしてアクセスしたい場合も多いと思います。

Oracle11gの場合、「プロファイル」という、ユーザーに対するシステムリソースやパスワードの制限の設定をまとめたものをユーザに割り当てることで、一括してパスワードの制御などを行うことができるようになっており、パスワードの有効期間もそこで設定されます。
ですので、デフォルトのプロファイルが設定されているユーザであれば、このときの対処法の例としては、

1)デフォルトのプロファイルのパスワード有効期限を無期限にする
2)エラーでログインできないユーザのパスワードを再設定する
3)ロックされているアカウントのロックを解除する

というかたちで対応はできることになります。

例として、SQL Plusで行う場合を以下に記載します。
DOSプロンプトからSQL Plusを起動。

sqlplus sys/[パスワード]@接続文字列 as sysdba

・デフォルトのプロファイルのパスワード有効期限を無期限にします。

ALTER PROFILE DEFAULT LIMIT PASSWORD_LIFE_TIME UNLIMITED;

alter_profile

・エラーでログインできないユーザのパスワードを再設定します。

ALTER USER ユーザ名 IDENTIFIED BY 新パスワード;

alter_user_pass

 ・ロックされているアカウントのロックを解除します。

alter_user_unlock

 以上で、再度 scott でログインできるようになります。

scott_login

今日は以上まで

 

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自律型トランザクション

 ITコーディネータのシュウです。

untitled

きれいだった桜も散ってしまいました。なかなか忙しくて、ゆっくり花見をすることができませんでしたが、ほんの1週間ほどではありますが、力いっぱい咲いて私たちを感動させ、喜ばせてくれる自然とは、本当にすごいと、改めて感じるこの季節ですね。
ちなみに、桜の中で日本で圧倒的に多いのがソメイヨシノ(染井吉野)ですが、もとは江戸の染井村の造園師や植木職人によって育成されたものが、各地に接木されて増やされたもので、すべてのソメイヨシノは元をたどればかなり限られた数の原木につながり、それらのクローンだということです。(会社の同僚から教えてもらいました)

<本日の題材>
自律型トランザクション

今回は、Oracleにおける自律型トランザクション処理について、見てみます。

これは、ある一連のトランザクション処理を行う中で、それとは独立したトランザクションを宣言することができる機能で、メインのトランザクション処理はロールバックされても、そこだけCOMMITさせることが可能になります。
私も、あるデータ変換を行うメインのトランザクション処理を実行する中で、何らかのエラーが起きた場合にそのエラーがどういうものなのかをエラー用のログテーブルに書き出すという機能で使用したことがあります。当然、メインのトランザクションはエラーが発生したのでロールバックして何も更新されない状態にしますが、エラーの内容はログに書き出したいので、メインのトランザクションとは独立したトランザクションとして、例外処理の中でログに登録するというものです。
(ログの登録をメインのトランザクションの中に入れてしまうと、エラー時にトランザクションをロールバックすれば、ログへの登録もロールバックされてしまうため)
ほとんどオラクル社の提示していたサンプルをそのまま利用したかたちではありましたが。。。

例)
①まず、エラーログ用のテーブルを作成

CREATE TABLE ERROR_LOG (
   ERROR_CODE NUMBER
  , ERROR_MESSAGE VARCHAR2(4000)
  , BACKTRACE CLOB
  , CALLSTACK CLOB
  , CREATED_ON DATE
  , CREATED_BY VARCHAR2(30)
);

②エラー記録用のプロシージャの作成

ここで、自律型トランザクションの宣言を、PRAGMA AUTONOMOUS_TRANSACTION;で行います。

CREATE OR REPLACE PROCEDURE record_error
IS
   PRAGMA AUTONOMOUS_TRANSACTION;     -- 自律型トランザクションの宣言
   l_code  PLS_INTEGER := SQLCODE;
   l_mesg  VARCHAR2(32767) := SQLERRM;
BEGIN
   INSERT INTO error_log (error_code
                       ,  error_message
                       ,  backtrace
                       ,  callstack
                       ,  created_on
                       ,  created_by)
        VALUES (l_code
              , l_mesg
              , sys.DBMS_UTILITY.format_error_backtrace
              , sys.DBMS_UTILITY.format_call_stack
              , SYSDATE
              , USER);
 
   COMMIT;
END;
/

※DBMS_UTILITY.format_error_backtrace ファンクションはエラーが発生した行を取得し、DBMS_UTILITY.format_call_stack ファンクションは、エラー発生箇所までの実行コールスタック、どのように処理が呼び出されてきたかを示します。

③上記のエラー記録用のプロシージャを、メインのプロシージャの例外処理で呼び出します。今回は簡単な例として、部門表(DEPT)にデータを登録するという処理を作成し、エラーが発生したら処理は全てロールバックしますが、エラーログにエラーの記録を残すようにします。

BEGIN
    INSERT INTO DEPT VALUES (50, 'PLANNING', 'LOS ANGELES');
    INSERT INTO DEPT VALUES (60, 'DEVELOPMENT', 'SEATTLE');
    INSERT INTO DEPT VALUES (50, 'GENERAL AFFAIRS', 'SAN FRANCISCO');
 
COMMIT;

--例外処理
EXCEPTION
   WHEN others THEN
     record_error();
     RAISE;
END;
/

上記は、DEPT表へのデータの登録を行って、最後にCOMMIT;を実行する処理ですが、途中でDEPTNOのキー重複によりエラーが発生します。そのエラーの内容を「error_log」テーブルには記録を残すというものになります。

処理を実行すると、

plsql_自律型トランザクション

DEPT表の中身は、
SELECT * FROM DEPT;

select_dept

処理はロールバックされています。

ERROR_LOG テーブルの中身は、
SELECT * FROM error_log;

error_log

 エラーの内容がログとして記録されています。

また、SQL Serverにおいては、自律型トランザクションの機能はサポートしていないようです。同様な処理を行いたい場合には、TRY ~CATCHのCATCHブロックの中で、新たにトランザクションを開始してログの登録を行うなどの処理が必要です。

上記と同様の処理を行うとすると、

BEGIN TRY
  BEGIN TRAN
      INSERT INTO DEPT VALUES (50, 'PLANNING', 'LOS ANGELES');
      INSERT INTO DEPT VALUES (60, 'DEVELOPMENT', 'SEATTLE');
      INSERT INTO DEPT VALUES (50, 'GENERAL AFFAIRS', 'SAN FRANCISCO');
      COMMIT
END TRY

BEGIN CATCH
  IF @@TRANCOUNT > 0
      ROLLBACK 

  BEGIN TRAN
         SELECT ERROR_NUMBER()
                          , ERROR_SEVERITY() AS エラー重大度
                          , ERROR_MESSAGE() AS エラーメッセージ
                          , ERROR_LINE()

         INSERT INTO error_log(
                ERROR_NUMBER
              , ERROR_SEVERITY
              , ERROR_MESSAGE
              , ERROR_LINE
              )
         SELECT
                ERROR_NUMBER()
              , ERROR_SEVERITY() AS エラー重大度
              , ERROR_MESSAGE() AS エラーメッセージ
              , ERROR_LINE()
   COMMIT;
END CATCH

sqlsrv_自律型代わり

DEPT表の中身は、
SELECT * FROM dbo.DEPT;

sqlsvr_dept確認

ROLLBACKされて、レコードは増えていません。

ERROR_LOGテーブルの中身は、

SELECT * FROM dbo.ERROR_LOG;

sqlsvr_err_log確認

エラー情報が記録されているのが確認できます。

今日は以上まで

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トランザクション処理

ITコーディネータのシュウです。

IMG_0651

 小学校の息子の卒業式に行ってきたときの写真です。
今まで、子供の卒業式には行ったことが無く、母親が行くものという認識でいたのですが、「今は父親も卒業式にはたくさん来てるのよ!」という妻の言葉もあり、参加してみたところ、確かに夫婦で卒業式に来てる方のほうが多いんですね。父親も子育てを楽しんでいる姿を感じました。もっと子育てに関心を持たなければと、いたく反省した次第です。

<本日の題材>
トランザクション処理

今回は、トランザクション処理について、見てみます。

トランザクション処理とは、データの一貫性を保つために、1つ以上のDML文(UPDATE、INSERT、DELETEなど)を1つの単位として管理し、実行結果が完全に成功か、完全に失敗かのどちらかになることを保証する機能です。
よく例として挙げられるのが、銀行のシステムです。例えば、AさんがB社より商品を購入して、代金として10万円をB社の口座に振り込むとした場合、処理としては、
①    Aさんの口座から10万円を減額
②    B社の口座に10万円を増額
という2つの処理を実施しなければなりません。ところが、①の処理を終えた段階で何らかのトラブルが発生して、②の処理を実行できなくなってしまった場合には、データに不整合が発生してしまいます。そのため、この2つの処理を1つのトランザクション処理としてまとめて、両方の処理が成功した場合のみこの変更処理を確定し、処理が一部でも失敗した場合には、全ての処理を取り消すということが必要になります。

なお、DBMS(データベース管理システム)には、どこからどこまでの処理が1つのトランザクションとしての区切りなのかについては、自動的にはわかりません。あくまでユーザが明確に指定して上げる必要があります。

ここで、SQL Serverの場合には、前回説明したエラー処理も含めると以下のようにすることができます。

BEGIN TRY
    BEGIN TRAN
        (DML文の処理)
    COMMIT
END TRY
BEGIN CATCH
    IF @@TRANCOUNT > 0
        ROLLBACK
END CATCH

@@TRANCOUNT関数は、現在の接続で実行された BEGIN TRANSACTION ステートメントの数を返す関数で、トランザクションが1つ以上開始されている場合、1以上の数字になります。トランザクションが開始されているかどうか確認したいときに使用します。上記では、トランザクションを設定していることは分かっているので、基本的に必要ありませんが、念のため記述しています。

下記の例は、Aさんの口座から100000をマイナスし、B社の口座に100000をプラスする処理をトランザクションで実施する内容ですが、Aさんの口座から減額した後で、RAISERROR関数にてエラーを起こします。そのためトランザクション開始後、エラーが起きるまでに行った更新処理がロールバックされて、元に戻ることを確認します。

BEGIN TRY
    BEGIN TRAN
        UPDATE accounts SET
            balance = balance - 100000
       WHERE account_number = 1234567;

      RAISERROR('RAISERRORにより強制終了',11,1);

      UPDATE accounts SET
          balance = balance + 100000
       WHERE account_number = 9876543; 
     COMMIT
END TRY
BEGIN CATCH
    IF @@TRANCOUNT > 0
         ROLLBACK

     SELECT ERROR_NUMBER() AS エラー番号
   , ERROR_SEVERITY() AS エラー重大度
   , ERROR_MESSAGE() AS エラーメッセージ
   , ERROR_LINE() AS エラー行
END CATCH

tsql_transaction

処理前後の口座の金額を確認すると、上記の処理前も、処理後も同じであることが確認できました。ですので、このトランザクション処理は確実にロールバックされたということです。

なお、OracleやDB2については、データベースへ接続して最初のSQLの実行から自動的にトランザクションが開始されるため、SQL Serverのような「BEGIN TRANSACTION」のようなコマンドは不要です。その後、COMMITか、ROLLBACKによりトランザクションが終了するかたちになります。

以下は、上記の例をOracleで同様に実施した場合の例。

DECLARE
  Trans_ERR EXCEPTION;             -- ユーザー定義例外の宣言
BEGIN
      UPDATE accounts SET
          balance = balance - 100000
       WHERE account_number = 1234567;

       RAISE Trans_ERR;                     -- ユーザー定義例外の呼出し

      UPDATE accounts SET
         balance = balance + 100000
       WHERE account_number = 9876543;

     COMMIT;
EXCEPTION
    WHEN Trans_ERR THEN
       ROLLBACK;
       DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('強制的にエラーを発生、ロールバックしました');

END;
/

plsql_transaction

処理前後の口座の金額は、変わっていないことを確認しました。

ちなみに、MySQL、PostgreSQLでのトランザクションの開始コマンドは、それぞれ以下になるようです。
MySQL: START TRANSACTION
PostgreSQL: BEGIN TRANSACTION

今日は以上まで

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例外処理(エラー処理)(SQL Server編)

ITコーディネータのシュウです。

IMG_3964

先日、東京駅のすぐそばのJPタワー・KITTE 4FのHall&Conferenceで行われたSecurity Days 2015のセミナーに、今年も参加してきました。目的はITコーディネータのポイント取得を兼ねてセキュリティに関する最新の情報収集。相変わらず大きな問題である標的型攻撃対策、内部犯行を含めての情報漏洩対策など、様々な内容が盛りだくさん。その中で、2015年10月から始まるマイナンバー制度や、個人情報保護法改正に向けた内容など、いろいろと気になる点もありました。「個人情報の保護レベルを世界水準に合わせよう」ということを指摘されている、新潟大学の鈴木正朝先生の講演が、私としては結構インパクトがありましたね。日本よりも規制の厳しい欧米の水準に合わせないと、ゲノムなど含めて世界の情報を日本に集めることができなり、産業的に大きな問題になるということを言っておられ、説得力がありました。

写真は、そのビルの屋上庭園「KITTEガーデン」から撮った東京駅の写真です。まだ風がちょっと寒かった!

<本日の題材>
例外処理(エラー処理) (SQL Server編)

前回前々回は、ORACLEの例外処理について取り上げました。
今回は、SQL Serverの例外処理について、見てみます。

SQLServerのTransact-SQLでは、SQLServer2005以降において例外処理がサポートされています。記述の仕方は MicrosoftのVisual C#、Visual C++ 言語での例外処理に似ていて、Transact-SQL ステートメントのグループを TRY ブロックで囲み、TRY ブロック内でエラーが発生すると、CATCH ブロックで囲まれた別のステートメントのグループに制御が渡されるというものです。

構文は以下:

BEGIN TRY
  (処理ロジック)
END TRY
BEGIN CATCH
  (ERROR 処理ロジック)
END CATCH

下記の例は、「STEP 1」表示の後、INSERT文でデータを登録するときに、桁あふれのエラーにより処理が中断され、「STEP 2」を表示することなく、エラーがCATCHされてエラー処理(エラーメッセージの表示)が実行されることを示します。

BEGIN TRY
  SELECT 'STEP 1'
  INSERT INTO dbo.社員マスタ(社員番号,社員名,拠点)
  VALUES(123456, 'TEST_MENBER', 'シカゴ');

  SELECT 'STEP 2'
END TRY
BEGIN CATCH
  SELECT
             ERROR_NUMBER() AS エラー番号
           , ERROR_SEVERITY() AS エラー重大度
           , ERROR_MESSAGE() AS エラーメッセージ
           , ERROR_LINE() AS エラー行
END CATCH
GO

tsql_例外

ここで、エラーに関する情報は、”ERROR_” で始まるシステム関数で取得することができます。
ERROR_NUMBER()         --            エラー番号
ERROR_MESSAGE()       --            エラーメッセージ
ERROR_SEVERITY()       --            エラーの重大度レベル
ERROR_STATE()               --            エラーの状態番号
ERROR_LINE()                   --            エラーが発生した行番号
ERROR_PROCEDURE()  --            エラーが発生したストアドプロシージャ                                                                         またはトリガー名

※エラーの重大度レベルについては、以下のMSのHPを参照
  https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/ms164086.aspx

ただし、この TRY ~ CATCH ステートメントは、以下の種類のエラーはCATCHできないということです。
・構文エラーなどのコンパイルエラー
・再コンパイルで発生するエラー(コンパイル後の名前の遅延解決により発生するオブジェクト名の解決エラーなど)

以下の例は、実際には存在しないテーブルを抽出するSQLを実行してコンパイルエラーが発生するケースで、このときにはTRY ~ CATCHではキャッチされず、実行したアプリ(例えばSQLServer Management Studio)にエラーが返されます。

BEGIN TRY
    PRINT N'処理の実行開始';
    SELECT * FROM 存在しないテーブル;
END TRY
BEGIN CATCH
    SELECT
        ERROR_NUMBER() AS ErrorNumber,
        ERROR_MESSAGE() AS ErrorMessage;
END CATCH;
GO
tsql_catchしない

この種のエラーは、エラーの発生場所と同一の実行レベルの TRY...CATCH 構造では処理されません。上記のような場合でもエラー処理をするためには、エラーが発生するコードを TRY ブロック内部の独立したバッチで実行、すなわち、ストアドプロシージャに記述するか、sp_executesql を使用して動的な Transact-SQL ステートメントを実行するかたちにすることで、低いレベルで発生したエラーをTRY...CATCH 構造でCATCHできるということです。以下が動的SQLを使ったその例になります。

BEGIN TRY
    PRINT N'処理の実行開始';
        DECLARE @sql VARCHAR(4000)
        SET @sql = 'SELECT * FROM 存在しないテーブル'
        EXEC(@sql)
END TRY
BEGIN CATCH
    SELECT
        ERROR_NUMBER() AS ErrorNumber,
        ERROR_MESSAGE() AS ErrorMessage;
END CATCH;
GO
tsql_catchできる動的sql

実行結果は、上記のようにエラーをCATCHして、BEGIN CATCHのエラー処理が実行されています。

今日は以上まで

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例外処理(エラー処理)(ORACLE編2)

ITコーディネータのシュウです。

1423578385215

娘がディズニーランドに行ってきて、撮ってきた写真です。
昨年、社会現象にもなったアナと雪の女王をテーマにした、スペシャルイベント「アナとエルサのフローズンファンタジー」。入口のところで大きく宣伝してたのを帰る時に撮ったと言ってました。シンデレラ城を舞台にしたプロジェクションマッピング「ワンス・アポン・ア・タイム~スペシャルウィンターエディション」は座席指定券をもらう抽選に当たらなかったので、いい席では見れなかったと残念がってました。

4月からチケットが少し値上がりしてしまうのは残念だけど、それでも何度でも行ってみたくなる魅力がありますよね!

さて、話は変わりますが、dbSheetClientのユーザー事例に紀文食品様が載りました。おでん用の商品などに「紀文」の焼印が押されていることでも有名な、練り製品ではトップシェアを持つ会社ですね。
dbSheetClient
で念願の「品質検査管理システム」を構築したとのこと。詳しくは、こちらを参照してみてください。
http://www.newcom07.jp/dbsheetclient/usrvoice/usrcase8.html

<本日の題材>
例外処理(エラー処理) (Oracle編2)

前回は、ORACLEの例外処理についての一般的記述方法や制御について取り上げてみました。今回は、ORACLEの例外の種類とそれに応じた記述方法について、見てみます。
例外は内部例外とユーザー定義例外にわけられ、内部例外はさらに事前定義の内部例外と無名の内部例外に分けられます。

事前定義の内部例外には、前回の例で示した
・数値データをゼロで割ろうとした「ZERO_DIVIDE」例外(ORA-01476)
・SELECT INTO文で複数の行を戻したときの「TOO_MANY_ROWS」例外(ORA-01422)
・検索の結果1行も戻されない「NO_DATA_FOUND」例外(ORA-01403)
などいろいろあります。

こういったものは、それぞれに名前が定義されているため、例外処理部で個別に処理を指定することができますが、名前が付けられていない無名の内部例外については、宣言部で明示的に名前を付けてあげ、さらに PRAGMA EXCEPTION_INITでORACLEのエラーと例外名を関連付ける必要があります。

例)
DECLARE
  KETA_ERR EXCEPTION;
  PRAGMA EXCEPTION_INIT(KETA_ERR, -01438);
BEGIN
  INSERT INTO DEPT(DEPTNO, DNAME) VALUES(501, '企画部');
  COMMIT;
EXCEPTION
  WHEN KETA_ERR THEN
     DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('桁数が大きすぎます');
  WHEN OTHERS THEN
     DBMS_OUTPUT.PUT_LINE(sqlcode);
     DBMS_OUTPUT.PUT_LINE(sqlerrm);
END;
/
plsql_ユーザ定義例外0

これは、DEPT表にデータを登録する際、DEPTNOは2桁の数値でなければならないところ、3桁を登録しようとしたときに出る無名の内部例外、「ORA-01438:この列に許容される指定精度より大きな値です」に名前を付けて、それを例外処理部で使っている例です。

なお、OTHERSハンドラを使用すると、例外処理部で例外名が指定されていないすべての例外を処理することができるため、上記の例では「KETA_ERR」例外以外の例外が発生した場合には、OTHERSハンドラの処理が行われるようになります。
そのときにどのような例外が発生したのかを確認するのに、SQLCODE関数(エラー番号を戻す関数)、SQLERRM関数(エラーメッセージを戻す関数)のようなエラー報告関数をすると便利です。

さて、ユーザー定義例外というのは、ORACLEのエラーではなく、ユーザーが作成する例外になります。

下の例は、FOR LOOP文の繰り返しの中で、ある数量をマイナスしていき、その数値が10未満になった場合には、ユーザー定義例外を呼出して、エラーとして処理するというものです。

例)
DECLARE
  Amount  NUMBER;
  Amount_ERR EXCEPTION;                    -- ユーザー定義例外の宣言
BEGIN
  Amount := 20;
  FOR lc IN 1..30 LOOP
    Amount := Amount – 1;
    IF Amount < 10 THEN
       RAISE Amount_ERR;                     -- ユーザー定義例外の呼出し
    END IF;
  END LOOP;
EXCEPTION
  WHEN Amount_ERR THEN
     DBMS_OUTPUT.PUT_LINE(‘ユーザー定義例外発生: 数量 = ‘||Amount);
END;
/
plsql_ユーザ定義例外1

また、ユーザーが独自に「ORA-xxxx」形式のエラーコードとエラーメッセージを定義して、エラーを表示させるような場合には、RAISE_APPLICATION_ERROR を使用します。
このときにユーザー定義のエラーとして使用が許可されている番号は ORA-20000~ORA-20999 までです。

例)
  RAISE_APPLICATION_ERROR(-20001, 'エラーが発生しました');

また、例外が発生して処理が例外処理部に移ると、制御は実行部には戻らないため、処理の途中でブロックは終了してしまいます。しかし、その後も処理を継続したい場合には、ブロックのネストを使用することで可能になります。

例)
DECLARE
  Amount  NUMBER;
  Amount_ERR EXCEPTION;
BEGIN
  Amount := 20;
  FOR lc IN 1..10 LOOP
    BEGIN                                       -- ブロックのネスト
      Amount := Amount - 2;
      IF Amount = 10 THEN
        RAISE Amount_ERR;
      ELSE
        DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('Amount = '||Amount);
      END IF;
    EXCEPTION                                  -- ネストされたブロック内での例外処理
      WHEN Amount_ERR THEN
      DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('ユーザー定義例外発生:数量 = '||Amount);
    END;
  END LOOP;
END;
/
plsql_ユーザ定義例外ブロックネスト

上記は、Amountの値が10になった時点で例外が発生していますが、ネストされたブロックの中での例外のため、その後のLOOPの処理が継続されていることが確認できます。

今日は以上まで

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例外処理(エラー処理) (Oracle編)

ITコーディネータのシュウです。

DSC_2080_2

前回に引き続き、加須花崎水上公園で撮った写真です。用水路に鳥が泳いでいました。おそらくカルガモだと思います。スイスイーと気持ちよさそうに泳いでました。たまに行列を作って行進したりする姿も見かけますよね。

そういえば、「鴨の水搔き」という言葉がありますが、《気楽そうに浮かんでいる鴨も、水面下では水かきを絶えず動かしているところから》人知れない苦労があることのたとえで使われる言葉なんですよね。
見習うところも多いかもしれませんね。

<本日の題材>
例外処理(エラー処理) (Oracle編)

今回は、処理の途中で例外(エラー)が発生した場合の処理を記述する例外処理(エラー処理)について取り上げてみたいと思います。ORACLEのPL/SQL とSQL ServerのTransact SQLでは記述の仕方が異なるため、今回はまずORACLEについて見てみたいと思います。

PL/SQLでは、実行時のエラーや警告のことを例外と言いますが、もし、処理の途中で例外が発生したときに、PL/SQLブロックに実行部しかなかった場合、PL/SQLは異常終了(OS側に制御が戻る)します。

例えば、ある商品について、前年の出荷実績に対する今年の予算の比率を計算で出す処理をPL/SQLで記述した場合、新商品のためなどの理由で前年の出荷実績が 0 であった場合には、下記のようになります。

DECLARE
  Yosan  NUMBER := 12000;
  Zennen_Jisseki  NUMBER := 0;
  Tai_Zennenhi NUMBER;
BEGIN
  Tai_Zennenhi := 100.0 * Yosan / Zennen_Jisseki;
  DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('予算/前年実績 = ' || Tai_Zennenhi||'%');
END;
/

上記を実行すると(SQL Plus)、下記のような ORA-01476 のエラーが出て異常終了します。これは数値を0で割ろうとしたときに出るエラーです。
plsql_err

これについて、下記のように例外処理部を追加してエラーのときの対応を明記することで、異常終了させずに正常終了させることができます。例外処理部は、BEGIN ~ END; の間に、EXCEPTION句を入れて、EXCEPTION ~ END; の間に例外処理を記述します。

DECLARE
  Yosan  NUMBER := 12000;
  Zennen_Jisseki  NUMBER := 0;
  Tai_Zennenhi NUMBER;
BEGIN
  Tai_Zennenhi := 100.0 * Yosan / Zennen_Jisseki;
  DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('予算/前年実績 = ' || Tai_Zennenhi||'%');
EXCEPTION
  WHEN ZERO_DIVIDE THEN
      DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('0で数値を割ろうとしています');
      Tai_Zennenhi := NULL; 
  WHEN OTHERS THEN
      DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('他のエラーが発生しました');
      Tai_Zennenhi := NULL;
END;
/
plsql_例外処理JPG

上記は、予算を前年実績の0値で割ろうとしたときに、「ZERO_DIVIDE」という例外が発生し、EXCEPTION以下の例外処理部に処理が移り、「0で数値を割ろうとしています」というメッセージを出して処理を終了しています。

例外が発生したときの制御は以下のようになります。

plsql_例外処理制御

 ただ、上記のように 0 で割る可能性があらかじめわかっている場合は、処理1のところにエラーチェックを行うことで例外を回避できます。

DECLARE
  Yosan  NUMBER := 12000;
  Zennen_Jisseki  NUMBER := 0;
  Tai_Zennenhi NUMBER;
BEGIN
  Tai_Zennenhi := CASE Zennen_Jisseki WHEN 0 THEN NULL
                                             ELSE 100.0 * Yosan / Zennen_Jisseki END;

  IF Tai_Zennenhi IS NOT NULL THEN
    DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('予算/前年実績 = ' || Tai_Zennenhi||'%');
  ELSE
    DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('前年実績はありませんでした');
  END IF;
 
EXCEPTION
   WHEN OTHERS THEN
      DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('他のエラーが発生しました');
      Tai_Zennenhi := NULL;
END;
/

plsql_例外処理回避

 この場合、予算の対前年実績比率を出す際に、CASE文で 0 で割るのではなく NULLに設定するかたちにしており、例外処理は発生していません。

今日は以上まで

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複数行のデータを集計して横展開

ITコーディネータのシュウです。

DSC_2091

 埼玉県加須市にある、加須花崎水上公園の散歩道です。プールと自然観察園の間のほうの道で撮った写真になります。水上公園ということで、夏のプールが注目されますが、お花見やバーベキュー、また自然観察園ではいろいろな木々やウッドデッキ、野鳥の観察小屋などもあり、季節によっていろいろな表情が見れるので、私はとても気に入っています。

<本日の題材>
複数行のデータを集計して横展開

今回は、テーブルレイアウト上、キー毎に複数行あるデータを、横に並べて集計しながら1行で表示させたい場合のSQLについて取り上げてみたいと思います。(以前、カンマ区切りで横並びにするケースについて、SQL Serverの場合にFOR XML句を取り上げたことがありますが、今回はよく使う例としてCASE文を使用します)

例えば、部品別の日別の仕入数量のデータが、部品コード、年月日、数量というようなレイアウトでDBに登録されている場合に、部品別に、月を横に並べて仕入数量の月別合計値を表示させるようなケース。(SQL Serverで検証)

DB上は以下のようにデータが登録されています。

SELECT
    部品コード
  , SUBSTRING(年月日,1,6) AS 年月
  , SUM(数量)  AS 仕入数量
  FROM 部品発注表
 GROUP BY 部品コード, SUBSTRING(年月日,1,6)
 ORDER BY 部品コード, SUBSTRING(年月日,1,6);

部品発注データ

これを、部品コード毎で、月を横に並べて仕入数量を表示させたい場合、以下のようなSQLを実行します。

SELECT
  A.部品コード
, SUM(CASE SUBSTRING(A.年月日,5,2) WHEN '04' THEN A.数量 ELSE 0 END) AS "4月"
, SUM(CASE SUBSTRING(A.年月日,5,2) WHEN '05' THEN A.数量 ELSE 0 END) AS "5月"
, SUM(CASE SUBSTRING(A.年月日,5,2) WHEN '06' THEN A.数量 ELSE 0 END) AS "6月"
, SUM(CASE SUBSTRING(A.年月日,5,2) WHEN '07' THEN A.数量 ELSE 0 END) AS "7月"
, SUM(CASE SUBSTRING(A.年月日,5,2) WHEN '08' THEN A.数量 ELSE 0 END) AS "8月"
, SUM(CASE SUBSTRING(A.年月日,5,2) WHEN '09' THEN A.数量 ELSE 0 END) AS "9月"
, SUM(CASE SUBSTRING(A.年月日,5,2) WHEN '10' THEN A.数量 ELSE 0 END) AS "10月"
, SUM(CASE SUBSTRING(A.年月日,5,2) WHEN '11' THEN A.数量 ELSE 0 END) AS "11月"
, SUM(CASE SUBSTRING(A.年月日,5,2) WHEN '12' THEN A.数量 ELSE 0 END) AS "12月"
, SUM(CASE SUBSTRING(A.年月日,5,2) WHEN '01' THEN A.数量 ELSE 0 END) AS "1月"
, SUM(CASE SUBSTRING(A.年月日,5,2) WHEN '02' THEN A.数量 ELSE 0 END) AS "2月"
, SUM(CASE SUBSTRING(A.年月日,5,2) WHEN '03' THEN A.数量 ELSE 0 END) AS "3月"
  FROM [dbo].[部品発注表] A
  JOIN [dbo].[年度マスタ] B ON SUBSTRING(A.年月日,1,6) = B.年月
 WHERE B.年度 = '2014'
 GROUP BY A.部品コード
 ORDER BY A.部品コード;

部品発注横並び

このように、部品コード毎に、4月~3月まで月毎の仕入数量を横並びで表示させることができました。

上記では年度マスタを以下のように設定しています。
SELECT * FROM [dbo].[年度マスタ]
 ORDER BY 年度,表示順;

年度マスタ

 ORACLEでも同様に行うことができますが、上記のSUBSTRING関数は、ORACLEではSUBSTR関数となります。そこだけ注意すれば同様に実行できます。

また、上記の例は、数量の場合でしたが、文字項目を横並びにしたい場合もあると思います。

例えば、下記のように、日本の様々なランキングをデータとして持つテーブルがあるとします。

SELECT
  A.区分NO
, B.区分名
, A.名称
, A.数値
, B.単位
  FROM dbo.ランキング A
  JOIN dbo.ランキング区分 B ON A.区分NO = B.区分NO
  ORDER BY A.区分NO, A.NO;

日本ランキング
※データはもっとたくさんありますが、表示は上記まで

これらの都市人口や川の長さ、湖の面積、山の高さなどの区分ごとに、ランキングの1位から10位までを横並びで表示させたいとします。

まず、各区分毎にランキング情報を抽出するのは、以下:

SELECT
  A.区分NO
, B.区分名
, A.名称
, RANK() OVER (PARTITION BY A.区分NO ORDER BY A.数値 DESC) RANK順位
, A.数値
, B.単位
  FROM dbo.ランキング A
  JOIN dbo.ランキング区分 B ON A.区分NO = B.区分NO
  ORDER BY A.区分NO, RANK順位;

日本ランキング_ランク順
※データはもっとたくさんありますが、表示は上記まで

これを各区分毎に横並びで表示するのは、例えば以下のSQLのように、MAX関数などを使用して集約したかたちにします。

 SELECT
  C.区分NO
, C.区分名
, MAX(CASE C.RANK順位 WHEN 1 THEN C.名称 ELSE '' END)
  AS "1位"
, MAX(CASE C.RANK順位 WHEN 2 THEN C.名称 ELSE '' END)
  AS "2位"
, MAX(CASE C.RANK順位 WHEN 3 THEN C.名称 ELSE '' END)
  AS "3位"
, MAX(CASE C.RANK順位 WHEN 4 THEN C.名称 ELSE '' END)
  AS "4位"
, MAX(CASE C.RANK順位 WHEN 5 THEN C.名称 ELSE '' END)
 AS "5位"
, MAX(CASE C.RANK順位 WHEN 6 THEN C.名称 ELSE '' END)
  AS "6位"
, MAX(CASE C.RANK順位 WHEN 7 THEN C.名称 ELSE '' END)
  AS "7位"
, MAX(CASE C.RANK順位 WHEN 8 THEN C.名称 ELSE '' END)
  AS "8位"
, MAX(CASE C.RANK順位 WHEN 9 THEN C.名称 ELSE '' END)
  AS "9位"
, MAX(CASE C.RANK順位 WHEN 10 THEN C.名称 ELSE '' END)
  AS "10位"
 FROM
 (SELECT
   A.区分NO
 , B.区分名
 , A.名称
 , RANK() OVER (PARTITION BY A.区分NO ORDER BY A.数値 DESC) RANK順位
 , A.数値
    FROM dbo.ランキング A
    JOIN dbo.ランキング区分 B ON A.区分NO = B.区分NO
 ) C
 GROUP BY C.区分NO, C.区分名
 ORDER BY C.区分NO;

日本ランキング_ランク順横並び

 ※最近の統計では、最上川と木曽川はどちらも229kmで同じ7位となっているようですが、以前は最上川が7位、木曽川が8位とされていたようです。今回は、取りあえずそちらを使っています。

上記は、ORACLEでもまったく同様に実行することができます。

今日は以上まで

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相関副問合せを利用したデータの更新

ITコーディネータのシュウです。

DSC_2141_2

知人の方から頂いた、千葉港から富士山の方角を見た夕日の写真です。右下のほうに富士山が写ってます。晴れた日には、埼玉から富士山が見えるのですが、千葉からも見えるんですね。はじめて知りました。埼玉からのほうが少し大きく見えるような気がしますが、さすが日本一の高さを誇る富士山です。

久しぶりの投稿になります。また、開発の仕事が忙しくなってきました。へたり気味ですが、頑張って行くぞ!

そういえば、dbSheetClientのユーザー事例にウシオ電機様が載りました。様々なランプをはじめとする光製品の開発・販売などで世界的なトップシェア商品を多数持っている企業ですね。
詳しくは、こちらを参照してみてください。
http://www.newcom07.jp/dbsheetclient/usrvoice/usrcase7.html

<本日の題材>
相関副問合せを利用したデータの更新

前回、EXISTS句について取り上げましたが、そのときに、相関副問合せでの例を示しました。今回は、更新の際に、相関副問合せを利用する場合を取り上げてみたいと思います。
(SQL Serverで検証)

通販システムなどで顧客管理をする際に、顧客の受注から顧客のランクを判別して、その顧客のランクによってサービスなどを区別する場合があると思います。
そのための項目「顧客ランク」を顧客マスタに追加したとします。

そして、例えば以下のように顧客のランクを定めて、あるタイミング毎に夜間バッチ処理にて更新を行うとします。
直近3ヶ月以内に
・1万円以上購入した方を「A」ランク
・5千円以上1万円未満の方を「B」ランク
・2千円以上5千円未満の方を「C」ランク
・それ以外(受注はあるが2千円未満)の方を「D」ランク
直近3ヶ月以内に受注がない方は NULL

直近3ヶ月以内の顧客の購入金額を検索してランクを区別する場合のSELECT文は、例えば以下のようにできます。

--①SQL文
SELECT顧客番号
      , SUM(決済金額) AS 購入金額
      , CASE WHEN SUM(決済金額) >= 10000 THEN 'A'
             WHEN SUM(決済金額) >= 5000 THEN 'B'
             WHEN SUM(決済金額) >= 2000 THEN 'C'
             ELSE 'D' END AS ランク
  FROM dbo.受注テーブル
 WHERE 受注日 >= DATEADD(MONTH, -3, GETDATE())
 GROUP BY 顧客番号;
--(10 行処理されました)

顧客ランク抽出

この抽出結果を元に顧客マスタの顧客ランクを更新するSQLとしては、例えば以下のようにできます。

--②SQL文
UPDATE顧客マスタ SET
   顧客ランク =
          (SELECT A.ランク
              FROM (SELECT 顧客番号
                                , SUM(決済金額) AS 購入金額
                                , CASE WHEN SUM(決済金額) >= 10000 THEN 'A'
                                                WHEN SUM(決済金額) >= 5000 THEN 'B'
                                                WHEN SUM(決済金額) >= 2000 THEN 'C'
                                                ELSE 'D' END AS ランク
                                  FROM dbo.受注テーブル
                                WHERE 受注日 >= DATEADD(month, -3, GETDATE())
                                GROUP BY 顧客番号) A
            WHERE A.顧客番号 =顧客マスタ.顧客番号
            );

相関副問合せを使用し、副問合せで抽出した顧客番号と顧客マスタの顧客番号が一致する行については、副問合せで抽出したランクの値で顧客ランクのデータを更新するようにしています。
また、一致する顧客番号が副問合せの抽出にないレコードについては、顧客ランクはNULLに更新されます。

例えば、現在の顧客ランクが以下のような場合:
--③SQL文(顧客ランクがNULL以外のデータを抽出)

SELECT顧客番号,顧客ランク
  FROM dbo.顧客マスタ
 WHERE 顧客ランク IS NOT NULL
 ORDER BY 顧客番号;
--(8行処理されました)

顧客ランク_現状

上記の②SQLを実行すると

UPDATE顧客マスタ SET
   顧客ランク =
          (SELECT A.ランク
              FROM (SELECT 顧客番号
                                , SUM(決済金額) AS 購入金額
                                , CASE WHEN SUM(決済金額) >= 10000 THEN 'A'
                                                WHEN SUM(決済金額) >= 5000 THEN 'B'
                                                WHEN SUM(決済金額) >= 2000 THEN 'C'
                                                ELSE 'D' END AS ランク
                                  FROM dbo.受注テーブル
                                WHERE 受注日 >= DATEADD(month, -3, GETDATE())
                                GROUP BY 顧客番号) A
            WHERE A.顧客番号 =顧客マスタ.顧客番号
            );

現在の顧客ランクを確認する(NULL以外のレコード抽出)
--上記③SQL文を実行した結果

顧客ランク_更新後
--(10 行処理されました)

更新前は8件ありましたが、6行目~8行目のレコードは、顧客ランク「A」~「D」の抽出条件からはずれたためにNULLに更新されています。結果として、①SQL文で実行した10件が顧客ランクが設定されたかたちになります。

今回のケースは上記の方法でよいですが、②SQLで、副問合せで抽出される顧客番号のレコードのみを更新したいような場合には、WHEREの条件として、下記のようにEXISTS句を使用して条件を絞る必要があります。

WHERE EXISTS
   (SELECT 'x'
       FROM (SELECT 顧客番号
                         , SUM(決済金額) AS 購入金額
                         , CASE WHEN SUM(決済金額) >= 10000 THEN 'A'
                                          WHEN SUM(決済金額) >= 5000 THEN 'B'
                                          WHEN SUM(決済金額) >= 2000 THEN 'C'
                                          ELSE 'D' END AS ランク
                          FROM dbo.受注テーブル
                        WHERE 受注日 >= DATEADD(month, -3, GETDATE())
                         GROUP BY 顧客番号) A
    WHERE A.顧客番号 =顧客マスタ.顧客番号
 );

上記の条件を設定したかたちでUPDATEを行うと、10件のみが更新されることになります。

ですので、今回の処理についても、一旦全レコードの顧客ランク項目を全て「NULL」に更新してから、上記のWHERE EXISTS句を付けたUPDATE文で顧客ランクを設定するというかたちでもいいかと思います。

上記の内容は、ORACLEでも同様になります。

今日は以上まで

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EXISTS句

ITコーディネータのシュウです。

IMG_0574_3

じゃーん。また、ブルートレイン「北斗星」の写真を載せてみました。さぞかし、北斗星のファンか、鉄道マニアと思われるかもしれませんが、実はそういう訳ではありません。
帰宅途中の駅で、たくさんのマニアの方が写真を撮っていたので、ついつられて一緒になって写真を撮ってしまいました。私って、優柔不断というか、つられ易いタイプですよね。
ただ、そんなにマニアでもない私ですが、今年中にブルートレインがなくなってしまうという噂が真実だとすると、本当に残念に思ってしまうのでした。

<本日の題材>
EXISTS句

今日は、EXISTS句について取り上げてみます。
EXISTS句は、通常は相関副問合せ(親の問い合わせで処理された各レコードを副問い合わせにおいて評価する)のかたちで使用することが多いと思います。副問合せにおいて、結果行が1行以上存在すればTRUE、存在しなければFALSEを返し、TRUEの場合の行が結果として抽出されることになります。

記述の方法は以下のようになります。

SELECT 列名1, 列名2, … , 列名n
 FROM 表名1
 WHERE EXISTS
 (SELECT ‘x’ FROM 表名2                                    -- ※
   WHERE 表名1.列名x = 表名2.列名x
       AND 他抽出条件)

※副問合せの中で SELECT ‘x’ のように固定値を使用しているのは、行がもどされるかどうかのみが判定されればよく、戻る列の値が何であっても問題はないこと、また定数を指定することで「存在有無の確認」であることをより明確に表現するという意味で、ORACLEなどでは慣習的に’x’などを指定することが多いようです。(SELECT * などでも問題はありません)

例として、以前使用したことのある、商品マスタと、売上テーブルを使用します。
まず、商品マスタのデータは以下:

SELECT * FROM 商品マスタ
 ORDER BY 商品CD;

exists_商品マスタ表示

売上テーブルの「2014/11」のレコードが以下の場合:

SELECT *
  FROM 売上テーブル
 WHERE TO_CHAR(受注日,'YYYY-MM') = '2014-11'
 ORDER BY 受注番号;

exists_150119受注

商品マスタのデータで、「2014/11」に受注のあった商品の一覧を抽出する場合、

SELECT 商品CD, 商品名
  FROM 商品マスタ
WHERE EXISTS (SELECT 'x'
                FROM 売上テーブル
               WHERE 商品CD = 商品マスタ.商品CD
                 AND TO_CHAR(受注日,'YYYY-MM') = '2014-11')
 ORDER BY 商品CD;

exists_1411受注のあった商品
2014/11」に1回でも受注のあった商品が抽出されました。

逆に、「商品マスタのデータで、「2014/11」に一度も受注のなかった商品の一覧を抽出する場合、NOT EXISTS を使用します。

SELECT 商品CD, 商品名
  FROM 商品マスタ
WHERE NOT EXISTS
(SELECT 'x'
    FROM 売上テーブル
 WHERE 商品CD = 商品マスタ.商品CD
        AND TO_CHAR(受注日,'YYYY-MM') = '2014-11')
ORDER BY 商品CD;

 not_exists_1411受注のなかった商品

SQL Serverでも同様です。
「2014/11」に1回でも受注のあった商品を抽出する場合:

SELECT商品CD,商品名
  FROM dbo.商品マスタ
WHERE EXISTS
(SELECT 'x'
    FROM dbo.売上テーブル
 WHERE 商品CD = 商品マスタ.商品CD
       AND SUBSTRING(CONVERT(VARCHAR, 受注日,112),1,6) = '201411')                   --※2
 ORDER BY 商品CD;

exists_1411受注のあった商品_sqlsv

※2:SQL Server 2012からは、FORMAT関数を使っても可能

「2014/11」に1度も受注のなかった商品を抽出する場合(FORMAT関数を使う):

SELECT商品CD,商品名
  FROM dbo.商品マスタ
WHERE NOT EXISTS
(SELECT 'x'
     FROM dbo.売上テーブル
  WHERE 商品CD = 商品マスタ.商品CD
         AND FORMAT(受注日,'yyyyMM') = '201411')
 ORDER BY 商品CD;

not_exists_1411受注のなかった商品sqlsv

 結果はORACLEと同様になりました。

今日は以上まで

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