ITコーディネータのシュウです。
3月も後半に入りましたが、気温の寒暖差がまだ結構ありますね。歳もそれなりに取ってきたので、気温の変化に体がついて行かず、体調を崩しやすくなってきた気がします。花粉も結構飛んでますし!
また、体だけでなく、住まいについても長く住んでいるといろいろなところが傷んできますよね。家電製品などが調子が悪くなると、妻が私に対して、「せっかくそれなりの学校の電気工学科を出たんだから、何とかならないの?」 と言いますが、あまり機械いじりなどが得意でない私は、結局何もできないでお手上げ状態になることがままあります。
そんなとき、「実際の生活にはなんも役に立たないんだから!」と、妻の厳しい~ 一言。
一応、僕は、ソフトウェア開発者なんだけどな~ (ΠΔΠ)
前回、ORACLEのパッケージについて簡単に取り上げてみましたが、続きとして、今回はパッケージのオーバーロードの機能について取り上げてみたいと思います。
<本日の題材>
パッケージ(ORACLE)のオーバーロード
オーバーロードとは、同じ名前のサブプログラムを定義できる機能です。JavaやC++などのオブジェクト指向言語にもオーバーロードという仕組みがあり、同名のメソッドや演算子を複数定義し,プログラムの文脈応じて,その場面に合ったメソッドや演算子を選択させることで,内部的な処理の手法が違うものに対して同一の処理手法を提供することができます。
パッケージのオーバーロードも同じような意味合いであり、同じ名前のサブプログラムを複数定義しておくことで、パラメータの数や順序、データ型が異なっている場合でも、同じ名前のサブプログラムを呼び出して実行することができます。
簡単な例を作成してみます。
例)
前々回で使用した商品マスタ(syomst)について、商品の金額を検索するのに、パラメータとして商品CDを渡して検索するのと、商品名を渡して検索するのを同じサブプログラムで定義して実行してみます。
ただ、よくよく考えると、商品CDと商品名はともにVARCHAR2型であり、今回の例としてはパラメータの型が違うものである必要があるため、SEQNOというINT型の項目を追加して、SEQNOで検索するのと、商品名で検索するのを同じサブプログラム名で定義してみたいと思います。
まず、商品マスタテーブルに「SEQNO」項目を追加します。
ALTER TABLE SYOMST ADD SEQNO INT;
「SEQNO」項目には、商品CD(syo_cd)でソートした順の番号を設定します。
UPDATE SYOMST SET
SEQNO =
(SELECT A.SEQNO
FROM
(SELECT
syo_cd
, ROW_NUMBER() OVER (ORDER BY SYO_CD) AS SEQNO FROM syomst) A
WHERE A.syo_cd = SYOMST.syo_cd);
SELECT * FROM SYOMST
ORDER BY SYO_CD;
「SEQNO」が追加され、SYO_CD順に番号が振られていることが確認できます。
それでは、この商品マスタから商品の金額を検索するのに、商品名で検索するのとSEQNOで検索するのを同じサブプログラムで定義するパッケージを作成します。
CREATE OR REPLACE PACKAGE pack_test2
IS
PROCEDURE syomst_price(p_syo_name VARCHAR2);
PROCEDURE syomst_price(p_seqno INT);
op_price NUMBER := 0;
END;
/
パッケージの本体部分は、
CREATE OR REPLACE PACKAGE BODY pack_test2
IS
PROCEDURE syomst_price(p_syo_name VARCHAR2)
IS
BEGIN
SELECT price INTO op_price
FROM syomst
WHERE syo_name = p_syo_name;
DBMS_OUTPUT.PUT_LINE(op_price);
END syomst_price;
PROCEDURE syomst_price(p_seqno INT)
IS
BEGIN
SELECT price INTO op_price
FROM syomst
WHERE seqno = p_seqno;
DBMS_OUTPUT.PUT_LINE(op_price);
END syomst_price;
END;
/
パッケージは作成されました。
それでは、実際に実行してみます。
最初に、商品名「キャベツ」で検索します。
※プロシージャの中でDBMS_OUTPUT.PUT_LINEを使用して金額を出力するかたちにしていますので、SQL*Plusで実行する場合には、初めにSERVEROUTPUTシステム変数をONにします。
SET SERVEROUTPUT ON
BEGIN
pack_test2.syomst_price('キャベツ');
END;
/
160円というキャベツの金額が表示されました。
次に、このキャベツのSEQNOは「9」なので、「9」の値で検索してみます。
BEGIN
pack_test2.syomst_price(9);
END;
/
先ほどと同様に、160円というキャベツの金額が表示されました。
同じ pack_test2.syomst_price というサブプログラムを実行しますが、パラメータの型を認識して、自動的にどちらのプロシージャを実行するかを判断しているということですね。
ちなみに、最初にやりかけた、商品CDと商品名というどちらも同じVARCHAR2型のパラメータを渡すものでちょっと試してみます。
CREATE OR REPLACE PACKAGE pack_test3
IS
PROCEDURE syomst_price(p_syo_cd VARCHAR2);
PROCEDURE syomst_price(p_syo_name VARCHAR2);
op_price NUMBER := 0;
END;
/
CREATE OR REPLACE PACKAGE BODY pack_test3
IS
PROCEDURE syomst_price(p_syo_cd VARCHAR2)
IS
BEGIN
SELECT price INTO op_price
FROM syomst
WHERE syo_cd = p_syo_cd;
DBMS_OUTPUT.PUT_LINE(op_price);
END syomst_price;
PROCEDURE syomst_price(p_syo_name VARCHAR2)
IS
BEGIN
SELECT price INTO op_price
FROM syomst
WHERE syo_name = p_syo_name;
DBMS_OUTPUT.PUT_LINE(op_price);
END syomst_price;
END;
/
このパッケージは、コンパイルはできますが、実行すると「PLS-00307」のエラーが表示されて実行はできません。
BEGIN
pack_test3.syomst_price('キャベツ');
END;
/
このように、オーバーロードが可能となるためには、パラメータの数やデータ型の違い、またファンクションの場合はリターンするデータ型などの違いだけでも必要になるということです。
今日は以上まで
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