ITコーディネータのシュウです。
知人が松本城に行ったときに撮ってきた写真を頂きました。
ちょっと曇りの天気なのが残念ですが、天守閣が堀と一緒にきれいに写っています。松本城の天守は国宝で、その周りにある石垣や堀も国の史跡に指定されているそうです。天守の建造年は、戦国時代~江戸時代初期の頃だそうで、NHK大河ドラマで放映中の「真田丸」の主人公 真田信繁(幸村)が活躍した時代に重なるようです。
真田丸のほうも関ヶ原の戦いも終わり、徐々にクライマックスに向かっていきますね。ちなみに、「真田丸」とは、真田信繁が、大阪城に入城した後、大坂冬の陣の際に、大阪城の最弱部であったとされるところの近辺に築いた土づくりの出城のことのようです。今後、大河ドラマで放映されると思われる真田丸での戦いを、是非見てみたいです。
<本日の題材>
参照整合性制約(SQL Server)
前回、参照整合性制約(外部キー制約)について、ORACLEでの例を上げて記事をアップしました。今回は、SQL Serverで試してみたいと思います。
例)
前回ORACLEで試したものと同様のテーブルをSQL Serverで作成します。社員マスタと部門マスタを作成し、部門マスタの部門CDを社員マスタから参照するかたちの設定をしてみます。
まず、部門マスタを作成します。
CREATE TABLE dbo.BUMON_M(
BUMON_CD VARCHAR(3)
, BUMON_NAME VARCHAR(20)
, CONSTRAINT PK_BUMON PRIMARY KEY (BUMON_CD)
);
次に、社員マスタを作成します。
CREATE TABLE dbo.SYAIN_M(
SYAIN_CD VARCHAR(10)
, SYAIN_NAME VARCHAR(20)
, BUMON_CD VARCHAR(3) DEFAULT ‘ ‘
, POSITION VARCHAR(40)
, CONSTRAINT PK_SYAIN PRIMARY KEY (SYAIN_CD)
, CONSTRAINT FK_BUMON FOREIGN KEY (BUMON_CD)
REFERENCES dbo.BUMON_M (BUMON_CD)
);
上記の、7~8行目の CONSTRAINT .. FOREIGN KEY .. REFERENCES ..という表記部分が参照整合性制約の設定箇所で、ORACLEでの記述と基本同じです。
部門マスタ(BUMON_M)に何件かデータを登録し、現在以下の部門が存在しているとします。
SELECT * FROM dbo.BUMON_M
ORDER BY BUMON_CD;
この状況で、部門マスタに存在しない部門CD「500」で社員を登録しようとしてみると、
INSERT INTO dbo.SYAIN_M VALUES('10311', 'メンバーK', '500', '一般社員');
上記のように、SQL Serverの場合も、ORACLE同様エラーが出てレコードを登録できません。SQL Serverでのエラーメッセージは、「メッセージ 547、レベル 16、状態 0、行 38 INSERT ステートメントは FOREIGN KEY 制約 "FK_BUMON" と競合しています。競合が発生したのは、データベース "BLOG"、テーブル "dbo.BUMON_M", column 'BUMON_CD' です。」となります。
また、各部門CDを持つ社員データを社員マスタに登録した状態で、部門マスタから既存の部門CDのレコードを削除しようとしてみます。
DELETE FROM dbo.BUMON_M
WHERE BUMON_CD = '100';
この場合も、上記のように、「メッセージ 547、レベル 16、状態 0、行 41 DELETE ステートメントは REFERENCE 制約 "FK_BUMON" と競合しています。競合が発生したのは、データベース "BLOG"、テーブル "dbo.SYAIN_M", column 'BUMON_CD' です。」というエラーが出て、削除することはできません。
それでは、子表にデータが存在している親表のキーの値を更新してみます。
UPDATE dbo.BUMON_M SET
BUMON_CD = '500'
WHERE BUMON_CD = '300';
この場合も、やはり「メッセージ 547、レベル 16、状態 0、行 45 UPDATE ステートメントは REFERENCE 制約 "FK_BUMON" と競合しています。競合が発生したのは、データベース "BLOG"、テーブル "dbo.SYAIN_M", column 'BUMON_CD' です。」というエラーが出て、更新することはできません。
以上のように、参照整合性制約(外部キー制約)のデフォルトの設定は、NO ACTION と言われるもので、参照先のデータの更新や削除を禁止するかたちになります。
SQL Serverでも、オプションの設定として、下記のようなものがあります。
・ON DELETE { CASCADE | SET NULL | SET DEFAULT }
・ON UPDATE { CASCADE | SET NULL | SET DEFAULT }
「ON DELETE CASCADE」「ON DELETE SET NULL」については、前回、ORACLEで動作を確認しましたので、今回は省略し、それ以外のオプションについて確認してみます。
・ON UPDATE { CASCADE | SET NULL | SET DEFAULT }
ORACLEにはなかったオプションです。動作を確認してみます。
参照整合性制約のオプションを変更するため、現在の制約を削除し、オプションを設定した制約を追加します。このとき、ON DELETE CASCADE に加えて ON UPDATE CASCADE も設定します。
ALTER TABLE dbo.SYAIN_M DROP CONSTRAINT FK_BUMON;
ALTER TABLE dbo.SYAIN_M ADD CONSTRAINT FK_BUMON FOREIGN KEY (BUMON_CD)
REFERENCES BUMON_M(BUMON_CD)
ON DELETE CASCADE
ON UPDATE CASCADE;
まず、社員表から、部門CD=’100’のデータを確認します。
SELECT * FROM SYAIN_M
WHERE BUMON_CD = '100'
ORDER BY SYAIN_CD;
部門マスタのBUMON_CD = ‘100’のデータを'500'に更新します。
UPDATE dbo.BUMON_M SET
BUMON_CD = '500'
WHERE BUMON_CD = '100';
このとき、先ほどの社員マスタのデータを確認します。
SELECT * FROM dbo.SYAIN_M
WHERE SYAIN_CD IN ('10001','10005','10006')
ORDER BY SYAIN_CD;
社員マスタの部門CDが「100」であったデータが、「500」に変わっていることが確認できます。
次に、参照整合性制約のオプションを、ON UPDATE SET NULL に変更します。
ALTER TABLE dbo.SYAIN_M DROP CONSTRAINT FK_BUMON;
ALTER TABLE dbo.SYAIN_M ADD CONSTRAINT FK_BUMON FOREIGN KEY (BUMON_CD)
REFERENCES BUMON_M(BUMON_CD)
ON DELETE CASCADE
ON UPDATE SET NULL;
先ほど変更した部門マスタのBUMON_CD = ‘500’のデータを、元の’100’に変更します。
UPDATE dbo.BUMON_M SET
BUMON_CD = '100'
WHERE BUMON_CD = '500';
このとき、先ほど部門CD「500」になっていた社員マスタのデータを確認します。
SELECT * FROM dbo.SYAIN_M
WHERE SYAIN_CD IN ('10001','10005','10006')
ORDER BY SYAIN_CD;
先ほど、部門マスタ側で変更した部門CDをもつ社員マスタの部門CDは、NULL に変更されていることが確認できました。
※ON UPDATE SET DEFAULT、ON DELETE SET DEFAULT については、親表の対応する行が削除、更新されると、子表の外部キーを構成する値にデフォルト値がセットされるという認識でしたが、テストしてみたところ、思ったような動作にならなかったため、今回は省略します。
以上から、SQL Serverの場合には、ON UPDATE … という更新時の対応のオプションがあるのが確認できました。
今日は以上まで
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