株式会社紀文食品 様
https://www.kibun.co.jp/

チルド加工食品における「品質検査管理システム」を構築!
品質検査センターの業務効率化と進捗状況を部門間で共有化実現!

既存のExcelシートをそのまま活用でき、品質検査データの一元管理を実現!!2014年1月、工場版が本稼働することで、国内工場の品質検査データ年間10万件以上のデータ管理を実現!!

紀文食品 様のご紹介 ※掲載内容は2015年の取材当時のものです。

 レッド(赤い色)は、人間性を大切にする温かい気持ちや情熱を表す色。KIBUNレッドと呼ばれるこの赤と、ハートとハートのインターロック(強い結合)は、作り手の私たち-消費者の皆様-流通の皆様、三者の心と心のふれあいの大切さ、パートナーシップの素晴らしさと感謝の気持ちを表現しています。

「紀文」の焼印は品質の証  まだパッケージもなく、おでん種やはんぺんが売られていた頃は、どんなに優れた品質であっても、店頭に並べられてしまえば、他社の商品と区別が つきませんでした。紀文の商品は、品質に自信と責任を持ち、お客様に「紀文」ブランドの素晴らしさを知ってほしいという思いから、 昭和26年(1951年)、「紀文」の焼印を押した商品の販売をスタートしました。

 これで、どこに置かれても、お客様に「紀文ブランド」を一目で見分けていただけるようになりましたが、逆に商品に問題があれば信用を失うことになると、 私たち自身が常に「品質第一」を心に焼き付けることになりました。「紀文」の焼印は、”私たちが品質を保証します。”という責任の所在を明らかにしたものなのです。 今では焼印の工程を自動化した商品もありますが、心を込めて一つひとつ手作業で押していた頃の気持ちを忘れずに、高品質の商品づくりに努めています。

会社概要

会社名
株式会社紀文食品
本社所在地
〒104-8101
東京都中央区銀座5-15-1
日の出オフィス
〒105-8626
東京都港区海岸2-1-7
代表者
代表取締役会長・CEO 保芦 將人
代表取締役社長・COO 志氣 透
創業
1938年6月8日
設立
1947年9月26日
業務内容
水産練り製品を主体とした総合加工食品の製造・販売
資本金
44億2,580万円(2014年3月末)
売り上げ
609億円(2014年3月期)
従業員数
1,343名(2014年3月末)
工場及び
支社・事業部

【工場】

  • 恵庭、東京、船橋、横浜、静岡、岡山総社

【支社・事業部】

  • 北海道、東北、関東信越、東京、広域第一、広域第二、中部、関西、中四国、九州、直販
企業数
国内8社、海外6社(6カ国)
売り上げ
(連結)1,016億円(2014年3月期)
従業員数
(連結)2,932名(2014年3月末)

訪問インタビュー

  • 衛生統括室
    室長
    原口 能成 氏
  • 衛生統括室
    品質検査センター長
    平田 千代枝 氏
  • 衛生統括室
    品質検査センター主任研究員
    髙橋 達也 氏
品質検査センター(千葉県船橋市)

システム構成図

品質検査管理システム

システム規模

品質検査センター版

  • 入力画面:35
  • 内部処理用:12
  • 印刷(ラベル):4
  • 印刷(帳票):7
  • マスタ入力画面:7
  • SQL:131
  • マクロ:9
  • 開発着手:2012年5月
  • 本番稼動:2013年1月

工場版

  • 入力画面:36
  • 内部処理用:10
  • 印刷(ラベル):5
  • 印刷(帳票):7
  • マスタ入力画面:4
  • SQL:91
  • マクロ:6
  • 開発着手:2013年5月
  • 本番稼動:2014年1月
  • 品質検査管理システム Ver2 (検査センター版、工場版)開発着手:2014年5月
  • 品質検査管理システム Ver2 (検査センター版、工場版)本番稼動:2014年9月

システム概要

品質検査管理システム

 チルド食品(魚肉ねり製品(はんぺん、ちくわ、さつま揚げ等々)、惣菜)に関する品質検査(微生物検査等)業務を管理するシステムです。今回のシステム化により、品質検査センターと商品開発部門・仕入部門・本社品質管理部門、工場間での品質検査データ(微生物検査データおよび進捗管理など)の情報共有が実現できました。

品質検査センターと商品開発部門の利用者数

  • 品質検査センター(千葉県船橋市) :8人
  • 商品開発部門および仕入部門 本社および3支社 :60人
  • 本社および、国内6工場(※)の品質管理部門 :50人
■トップ画面
■検査依頼書入力画面
■検査結果入力画面(微生物検査)
■検査結果入力画面(官能・保存検査)
■合格判定画面
■マスタメンテナンス画面

システム開発の目的

 当社が取り扱う商品は、お客さまが安心してお召し上がりいただけるように、安全・安心を最優先とした製造管理と品質衛生管理を強化しております。 それらの業務の一つである商品の品質検査については、品質検査センターと国内6工場で、それぞれ個別で品質検査データを管理運用していますが、 全社的な品質検査データの一元管理はできていませんでした。また、商品開発・仕入部門からの検査結果の照会については、品質検査センターが 電話やメールで対応するための時間が掛かっていました。そのような状況から、先ずは、品質検査センターの業務効率向上と商品開発・仕入部門 との品質検査データの迅速な結果報告を目的として、新システムの導入を検討することになりました。

今回のシステム化については、以下に示す内容について検討しました。

  1. 従来のシステムで実現しているものを活かせること。(Excel+マクロ)
  2. 品質検査業務の効率化(検査成績書のリアルタイム出力、事務作業削減による業務時間の短縮)が見込めること。
  3. 品質検査センターと商品開発・仕入部門との情報共有がシームレスに行えること。
  4. 機能面、操作面はもちろんのこと、コスト面においても予算内で実現できること。
  5. 先ずは、品質検査センターのシステム化を行い、次に国内工場のシステム化を行うこと。
  6. 将来的に、品質検査データは一元管理できることを前提として、様々な視点での現場改善や要因分析に活用できること。

導入後の効果

 dbSheetClientで、システム化することによって、商品開発部門・仕入部門・本社品質管理部門と品質検査センター間で、【検査依頼】→【検査受付】→【検査結果入力】→【結果報告】といった業務の流れに沿った多拠点対応のシステムを構築することができました。

品質検査センターでは、

  1. 検査品受付時に発行した検査番号を、送付される検査品と検査器具(シャーレなど)に貼り付けるバーコードラベルと紐付けし、検体をバーコードで管理することにより、検査品の取り違えや、検査結果の入力・集計をバーコードリーダーでバーコードを読み取るだけで、誰でも入力を間違えることなく行えるようになりました。
  2. チルド食品の様々な検査品の検査項目に対応する必要がある為、商品の分類名(魚肉ねり製品、惣菜‥等)を切り替えるだけで、検査項目が自動的に切替わり、様々な商品ごとで必要な検査項目をモレなく実施することができるようになりました。従来は、商品ごとで必要な検査項目についてモレなどがあり、確認や修正のための電話問い合わせがありましたが、これがなくなり、業務効率が大幅に向上しました。
  3. 商品開発・仕入部門から、検査品の搬入状況、検査の進捗状況、検査結果の照会などが、検査システムの画面上で確認できるため、品質検査センターが電話やメールで対応する時間がほとんどなくなりました。
  4. これまでは、検査業務と事務処理作業で、繁忙期(10月から年末にかけて)には、検査業務が増えた分、事務処理が多くなる一方でした。今回のシステム化により、特に、検査作業の後作業(検査結果入力、成績書作成など事務処理)がほぼなくなったことから、システム化することよるタイムリーな結果のフィードバックと、残業削減コストは、社内的にも評価を受けています。また、入力、事務作業のマンパワーを衛生管理改善のための、さらなる詳細なデータの解析や問題箇所の真因追究への時間へ費やすことができるようになりました。

商品開発・仕入部門では、

  1. これまでは、検査の進捗状況を電話やメールで問い合わせを行っていましたが、システム化したことで検査依頼した商品が、今どの状態にあるのか確認できるようになり、品質検査センターに余計な問合せをする必要がなくなりました。
  2. 検査結果の総合判定をシステム上でリアルタイムに確認する事が出来るようになり、品質検査センターに問合せをする必要がなくなりました。

 2013年の1年間を通して、品質検査センターでは、品質検査管理システムで2,000件を超える検査を実施しました。品質検査センターとして、念願の新システムの構築・導入、そして運用実績を上げることができ、大変満足しています。システム化構築途中は、複雑な仕様から、ニューコムさんには、何度か、仕様の変更もお願いしましたが、快く対応していただき感謝しています。

 また、2013年は、このシステムをベースにした、品質検査管理システム工場版を開発して、国内工場の品質管理室(品質検査室)にシステム展開を行いました。これまで、手作業や一部Excelで管理していた紙ベースや個別のエクセルベースの工場の品質検査データの管理が、システム化、データベース化されました。工場では、大量の検査を効率よく間違えなくデータ入力する仕組みが必要となり、現場の要望も取り入れた入力画面を開発して頂きました。

 そして、2014年は、品質検査センターと工場版のシステムの機能追加を行いました。工場版では、今まで手書きで対応していた品質確認を行う帳票類を検査システムのデータから出力することや、日々の検査結果を自動集計して、検査の結果をシステムから出力できるように改善しました。品質検査センター版では、検査異常が発生した場合、速報メールを自動送信し、迅速に対応が図れる異常連絡書の入力と承認、閲覧の確認を含めた仕組みを構築し、さらなる業務改善を目指しています。工場版が稼働することで、国内工場(一部工場は導入準備中)の品質検査データ年間10万件以上のデータの一元管理ができるようになりました。

  • 日々欠かすことなく行われている微生物検査

  • お客様の安心と満足のために。「食の安全」へのこだわりは紀文の信念です。

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