OZEKI SAKE(U.S.A.)INC.(米国大関) 様
http://www.ozekisake.com/

清酒製造におけるリアルタイムな在庫管理と複雑な清酒の工程トレース機能をdbSheetClientで構築!

ユーザーフレンドリーなExcel I/Fでシステム化を実現!
入力作業も現地従業員で対応可能!
データの2重入力もなくなり、入力作業時間の大幅な時短(月60時間以上削減)を実現!

米国大関様のご紹介

 「大関」は1711年(正徳元年)、現在も本社を置く兵庫県西宮市今津で創業いたしました。
 1970年代に日本が経済大国として世界に台頭するにつれ、米国では日本の食文化への関心が高まり、寿司などの日本料理の人気が急上昇するとともに、日本酒の需要も高まりました。しかし、日本から米国への輸送中の商品の鮮度低下が危惧されていたことから、「現地で酒造りをして、鮮度の良い状態で飲んでもらう方が良いのではないか」という声が上がり、当社は、1979年に米カリフォルニア州の北部に位置するサンベニート郡ホリスター市に、OZEKI SAN BENITO INC.(現・OZEKI SAKE (U.S.A.) INC.)を設立しました。日本酒メーカーが設立した初めての海外の酒蔵であり、現在は30名ほどが現地生産部門のスタッフとして勤務しています。
 日本特有の酒造りの伝統と基本を守りつつ、常にフレッシュな状態の清酒を、また、海外の蔵ならではの新しい形の清酒を、米国で味わっていただけることを目標に日々努力し続けております!

会社概要

商号
OZEKI SAKE(U.S.A.)INC.
住所
249 Hillcrest Road, Hollister, CA 95023, USA
電話番号
831-637-9217
設立
1979年5月21日
社員
43名(2021年9月1日現在)
事業案内
清酒ほか酒類の製造

訪問インタビュー

  • OZEKI SAKE(U.S.A.)INC.
    Production Manager Brewing Specialist
    小竹氏

システム構成図

酒帳簿管理システム

システム規模

システム概要

酒帳簿管理システム

 日々のお酒の製成、移動、ブレンド、濾過、瓶詰作業における液量の現場記録の入力と集計をするシステムです。日々の作業記録をdbSheetClientに入力することにより、タンクに保管されているお酒の情報の管理や、最終的に瓶詰されたお酒が、どのタンクで醸造されたお酒なのかをトレースすることができるようになりました。また、毎月、税務局へ提出する資料の作成も可能になりました。

【TOP画面】
【Operation入力画面】
見たいデータをクリックする事で、タンクのトレースができます
【Operation入力画面】
見たいデータをクリックする事で、タンクのトレースができます
【タンクトレース結果】
Rework工程も含め、どのタンクの酒が何リットル入っていたか、20階層まで遡ることができます
【月末在庫レポート】
各作業での酒の増減について帳票出力します
数字を選択すると、集計に使われた入力作業の詳細が表示されます

システム導入前の課題・要望

 アメリカでも日本の酒蔵と同様に、現場の各工程におけるお酒の液量の日々の記帳が義務付けられています。毎月、税務局に在庫量を報告書で提出する必要があります。また、州行政からの監査が入った場合は、リアルタイムでの在庫を確認される可能性があったり、万が一、製品に不具合が見つかった場合は、その製品がどのお酒から作られたものなのかを迅速にトレースする必要があります。
 これまで当社は、日々のお酒の移動量などについてエクセルで記帳管理をしていました。お酒の液量の管理は、一見簡単そうに思われるかもしれませんが、ブレンドなど様々な工程を含んでおり、意外と複雑な作業になっています。特にRework工程(工程上瓶詰されなかったお酒の濾過工程)のトレースは、エクセルでの管理だと殆ど不可能な状況でした。また、毎月、税務局に提出する在庫量の資料は、1L(リットル)のズレであっても許されない為、なかなか現地従業員に任せることができず、この酒帳簿の記帳業務は全て日本からの駐在員の仕事となっていました。
 システム導入前に使っていたエクセルファイルは、すべてのタンクにおいて液量を手動で入力する形式で、例えば「AタンクからBタンクへXL(リットル)の移動」を入力するには、Aタンクの入力箇所でXLの入力、Bタンクの入力箇所でAタンクからの移動液量XLと移動後の液量YLを入力する形式になっていましたが、仮に、このXLの数値をA、Bどちらかのタンクで誤入力してしまった場合、月末での集計において、欠減から計算される在庫量と、実際の在庫量が異なる値となってしまい、その間違い箇所を発見するために多大な時間を費やすことになり、駐在員の業務負担となっていました。

dbSheetClient・Excel版を採用した理由

 2014年当時、PSI業務を刷新する必要性に迫られていました。その理由は、在庫が増えていたことと、その改善を図ろうにも、営業の販売見込みの精度が低く、生産投入が遅れがちになるとか、過剰生産につながるといった悪循環に入ってしまっていて、これの一点突破が願われていたためです。当初は何社かの比較をしていましたが、最終的にニューコムさんともう1社の2社に絞って、比較しました。

検討したポイントについて

  1. 機能的な面では、現場がExcel業務主体なのでExcel機能がそのまま使えること、それでいてデータベース化ができ、オンライン更新ができること。但し、営業は業務上オフラインでExcel編集でき、それを取り込む機能も求めるので、必要シートのダウンロード(出力)と編集後のシートのアップロード(取込)もできること。
  2. システムを開発会社に作ってもらっても、メンテナンスは自社サイドで受け取れること。従って、開発可能な環境があって、それでシステムを拡張できること。
  3. 現場には多くのExcel業務が散在しているため、他の業務にも展開可能であること。

以上の3点について、比較検討を重ねた結果、ニューコムさんに決めたわけです。

システム導入の効果

 これまで、Excelを複数部門がメールで送受信し、そのExcelを何度も集計しながら更新していましたが、今回、新PSIシステムが立ち上がることで、全ての入力データをデータベースに格納するようになり、関係する複数部門が同時にアクセスして販売見込情報や生産情報の一元管理を実現できたので、営業部門と生産企画部門のExcelのやりとりやそれに付随する全ての業務が不要になりました。これにより、現場からも「これまで苦労していた業務が楽になっただけでなく何時でも正確な最新情報が共有できるようになった」という声が聞けるようになりました。

 これまでも、業務効率化のためのシステム化をするアプローチは色々とトライしてきましたが、今回のニューコムさんのdbSheetClientを使って1番良かったことは、ユーザーインターフェースがExcelだったことです。現場が今まで業務で活用してきた使い慣れたExcel画面をそのまま使い入力でき、しかもそれがそのままデータベースに格納されることで、システム化により要求される機能を実現していくことができました。すなわち、新PSIシステム導入により、今の状況をタイムリーに確認でき、それに応じた手を打てるようになり、管理の精度が格段にレベルアップできたことは事業健全化に貢献してくれていると思っています。具体的には、営業の実際の数字の変化が毎週、毎週、皆で確認でき、その意味合いや課題の共有が図れ、経営計画の見直しなどがスムーズとなり、経営計画に対する事業管理の精度が確実に上がっています。

 以上のことから、定量的に表すのは難しいですけれど、かなり大きな効果が出せるシステムが構築できたと思っています。

今後について

 2017年度上期 、新PSIシステム上に、基本計画システムを融合して、10月以降の基本計画を登録、ディスプレイデバイスカンパニー全体の情報の一元化を図りました。2017年度下期は、ハンド集計作業・重複作業の撲滅に向けて、「基本計画-実績・見込対比」実業務へのシステム利用を推進したいと思います。
 また、dbSheetClientを導入した目的の1つには、他Excel業務のシステム化があります。これからは、これにも目を向けて取り組んでいきたいと思います。まず、ターゲットとしては、経理業務における情報の共有化など、できる所から取り組んでいくつもりです。

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